本帰国では、帰国後14日以内の転入届を起点に、マイナンバーカード、国民健康保険、国民年金などの手続きが続きます。税金は、住民税が1月1日の住所で決まるため帰国した年の分はかからず翌年度からかかる一方、所得税は帰国した年から居住者期間と非居住者期間を分けて計算します。運転免許や子どもの編入学は準備に時間がかかるので、帰国前から確認しておきましょう。
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本帰国の手続きと税金まとめ|転入届・マイナンバーカード・国保・年金・住民税・確定申告(2026年)
最終確認: 2026-10(公的機関の情報をもとに作成)
帰国前後の基本:転入届は14日以内、在留届は「帰国・転出届」
住民基本台帳法第22条により、新たに市区町村に住所を定めた人は、転入をした日から14日以内に市区町村長へ転入届を出さなければなりません。国外から転入する人には、通常の届出事項に加えて政令で定める事項の届出が求められます。必要書類は市区町村ごとに案内が異なるため、帰国前に転入先の市区町村のウェブサイトで確認しておくと安心です。
海外で在留届を出していた人は、在外公館への「帰国・転出届」も必要です。旅券法施行規則第15条では、在留届を出した人は、領事官の管轄区域を去るときは事前に届け出ることとされています。オンライン在留届(ORRネット)で提出した人は、帰国後でもORRネット上で帰国・転出届を出せます。
- 帰国・転出届を出さないと、帰国後も注意喚起や安否確認のSMS・メールが届き続けます(外務省 ORRネットFAQ)
- 日本の市区町村に転入届を出した場合や、日本に入国後1年以上出国しない場合などは、在外公館の管轄区域から転出したものとして扱われます
- 在外選挙人名簿に登録している人は、帰国後に国内の選挙人名簿に登録されるまでの間(国内の住民基本台帳に引き続き3か月以上記録されると登録の対象になります)、在外選挙人証を提示すれば国内の投票所・期日前投票・不在者投票で投票できます
- 在外選挙人名簿の登録は、国内に住所を定めた日として戸籍の附票に記載された日から4か月を経過すると抹消されます(公職選挙法第30条の11)
マイナンバーカード:国外継続利用したカードは転入届と一緒に手続き
2024年5月27日から、日本国籍の人は国外転出後もマイナンバーカードを継続して利用できるようになりました。出国前に転出届とあわせて国外継続利用の手続をしたカードや、海外で新たに取得したカードは、帰国後に日本国内の市町村へ転入届を出す際に、あわせてマイナンバーカードの記載事項変更の申出をすることで、国内でも引き続き利用できます(デジタル庁リーフレット)。
一方で、国外からの転入届をしなかったときや、国外からの転入届の後にカードの手続をしないときは、カードが失効します(地方公共団体情報システム機構)。カードの記載内容に変更があったときは14日以内に市区町村へ届け出る必要があります(デジタル庁FAQ、マイナンバー法第7条・第17条)。
- 出国時にカードを返納して還付を受けた(穴を開けたカード)場合、そのカードを再び有効にすることはできないので、改めて申請します
- 本人の責めによる失効後に再交付を受ける場合の手数料は、カード800円、電子証明書200円です(地方公共団体情報システム機構)
- 電子証明書の扱いや必要な持ち物は、転入先の市区町村の窓口で確認してください
国民健康保険と国民年金への加入
会社の健康保険に加入しない人は、国民健康保険に加入します。国民健康保険法第7条により、被保険者の資格は都道府県の区域内に住所を有するに至った日から取得するため、届出が遅れても資格は転入日にさかのぼります。国民健康保険法施行規則第2条では、世帯主が14日以内に住所地の市区町村へ届け出ることとされています。帰国後に会社の健康保険に加入する人は、国民健康保険の対象外です(同法第6条)。
医療機関ではマイナ保険証または資格確認書で受診します。厚生労働省によると、当分の間、マイナ保険証を保有していない(健康保険証利用登録をしていない)人には、資格確認書が申請によらず無償で交付されます。
日本国内に住む20歳以上60歳未満の人で厚生年金保険に加入していない人は、国民年金の第1号被保険者または第3号被保険者になります。第1号被保険者の加入手続きは住所地の市区町村で行い、保険料は令和8年度で月額17,920円(付加保険料は月額400円)、納付期限は納付対象月の翌月末日です。会社員・公務員になる人は勤務先を通じて厚生年金に加入します。
- 海外で国民年金に任意加入していた人は、帰国して住民票を登録すると強制加入被保険者になります。強制加入には転入先の市区町村での手続きが必要です
- 任意加入中に付加保険料や口座振替を申し出ていた人は、帰国後も続けるなら強制加入の手続きの際に改めて申し出る必要があります
- 一時帰国などで短期間だけ住民票を戻した場合でも、その期間は強制加入被保険者となり、その都度手続きが必要です
- 第3号被保険者の海外特例に該当していた人が帰国して国内に住所を有したときは、配偶者(第2号被保険者)の勤務先を通じて特例の非該当の手続きをします
- 納付した国民年金保険料は、所得税・住民税の計算上、全額が社会保険料控除の対象です
年金の手続き:カラ期間、協定相手国の年金、受給者の住所変更
海外に住んでいた期間の扱いや、海外で加入した年金の請求も確認しておきましょう。海外在住中の年金については当サイトの年金ガイドもご覧ください。
- 合算対象期間(カラ期間):1961年(昭和36年)4月以降に海外に住んでいた20歳以上60歳未満の期間のうち、任意加入しなかった期間などは、老齢基礎年金の受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません
- 協定相手国の年金:社会保障協定の相手国の年金申請書は、日本の年金事務所や年金相談センターに提出できます(英国、韓国、中国との協定は除きます)。日本の加入記録の証明書類は日本年金機構が確認して相手国に送るため、本人が添付する必要はありません
- 年金受給者が日本へ引っ越したとき:「年金受給権者住所変更届」に国内の住所を書いて年金事務所または年金相談センターへ提出します。国内に住む場合、年金の振込先は国内の金融機関となるため「年金受給権者受取機関変更届」も提出します
住民税:帰国した年はかからず、翌年度から
総務省によると、個人住民税はその年の1月1日時点で市町村(都道府県)に住所がある人に課税され、所得割は前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されます。所得割の税率は10%(道府県民税4%、市町村民税6%)です。
そのため、たとえば2026年の途中に本帰国した人は、2026年1月1日に国内に住所がないので2026年度の住民税はかかりません。2027年1月1日に国内に住所があれば、2027年度から前年(2026年)の所得をもとに住民税がかかります。帰国直後は住民税がなくても、翌年度に課税されることを見込んで資金計画を立てておきましょう。具体的な税額や課税の対象となる所得の範囲は、住所地の市区町村に確認してください。住民税の仕組みは当サイトの住民税ガイドでも解説しています。
帰国した年の所得税(居住者期間と非居住者期間)と国外財産調書
所得税法上の居住者は、国内に住所を有し、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人で、それ以外の個人が非居住者です(国税庁 No.2875)。非居住者は国内源泉所得だけが課税対象で、海外勤務に基づき非居住者期間中に支給される給与は、海外で勤務する法人の役員の場合を除いて課税されません。帰国して居住者になった後は、国内源泉所得に限らずすべての所得が課税対象になります(国税庁 No.1935)。
帰国した年分の確定申告は、帰国前の国内源泉所得(総合課税の対象となるものに限ります)と、帰国後のすべての所得を合計して計算します。帰国後に日本の会社から受け取る給与は年末調整の対象です。確定申告の期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです(国税庁 No.2020)。
居住者(非永住者を除きます)で、その年の12月31日に価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を持つ人は、国外財産の種類、数量、価額などを記載した国外財産調書を、翌年の6月30日までに所轄税務署長に提出しなければなりません。居住者かどうかは12月31日の現況で判定するため、年の途中で帰国した人も、帰国した年の分から対象になり得ます。海外の銀行口座や証券口座、海外不動産を帰国後も持ち続ける人は特に注意が必要です。
- 確定申告が原則必要な人:帰国後の給与収入が2,000万円を超える人、または帰国前の国内源泉所得と、帰国後の年末調整対象の給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人
- 医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除は、居住者期間(帰国後)に支払った金額で計算します
- 配偶者(特別)控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除などは、その年の12月31日の現況で判定します
- 出国時に納税管理人を届け出ていた人は、納税管理人の解任届出の手続もあります
- 国外転出時課税(出国税)の申告をした人が国外転出の日から5年以内(納税猶予の期限延長をしている場合は10年以内)に帰国した場合、帰国の時まで持ち続けている対象資産について課税を取り消せます。帰国の日から4か月以内に更正の請求または修正申告が必要です(詳しくは当サイトの国外転出時課税ガイド)
- 国外財産調書の例:2026年中に帰国し、2026年12月31日に国外財産が5,000万円を超えている場合は、2027年6月30日までに提出します
- 国外財産調書を提出する場合は「国外財産調書合計表」を作成して添付します
- 国外財産調書の加算税の特例:期限内に提出した調書に記載がある国外財産について所得税・相続税の申告漏れが生じた場合、過少申告加算税等が5%軽減されます。提出がない場合や記載漏れがある場合は5%加重されます
- 国外財産調書の罰則:偽りの記載をして提出した場合や、正当な理由なく期限までに提出しなかった場合は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処されることがあります(情状により刑の免除あり)
運転免許と子どもの学校
日本の運転免許が海外滞在中に失効した場合、海外滞在などのやむを得ない理由があれば、有効期間が過ぎてから3年以内で、帰国した日から1か月以内に失効手続をすれば、適性試験のみで学科試験と技能試験が免除されます(6か月以内なら理由を問わず同様。3年を超えると失効手続はできません)。出入国の日付が分かる旅券などが必要です。外国で取得した免許を日本の免許に切り替える(外免切替)には、取得後にその国に通算3か月以上滞在していたことが条件で、2025年10月1日からは知識確認が50問中45問以上正解に変わるなど審査が厳しくなっています。詳しくは当サイトの運転免許ガイドをご覧ください。
子どもの学校について、文部科学省は、日本国民である学齢児童生徒が帰国した時点から保護者に就学義務がかかり、住所地の教育委員会が住民基本台帳に基づいて学齢簿を作成し、就学する学校と編入学期日を保護者に通知するとしています。小・中学校へは原則として年齢相当の学年に編入学します。
- 日本語能力などの事情で直ちに相当学年の教育を受けることが適切でない場合は、学校生活に適応するまで一時的に下の学年に編入することも可能です
- 高校への編入学は、校長が相当年齢に達し、その学年に在学する人と同等以上の学力があると認めた場合に可能です。募集の有無や試験は学校・教育委員会ごとに異なります
- 海外での教育については当サイトの子ども連れの海外移住ガイドもご覧ください
- 本ページは制度の一般的な説明で、個別の税務・法律アドバイスではありません。実際の手続は市区町村、税務署、年金事務所などにご確認ください
よくある質問
Q. 7月に本帰国しました。今年の住民税はかかりますか?
A. 個人住民税はその年の1月1日時点で国内に住所がある人に課税されるため、1月1日に海外に住んでいた年の分はかかりません。翌年1月1日に国内に住所があれば、翌年度から前年の所得をもとに課税されます。
Q. 帰国した年の確定申告に、海外勤務中の給与も含めますか?
A. 国税庁によると、非居住者期間中に海外勤務に基づいて支給される給与は、海外で勤務する法人の役員の場合を除いて課税されません。帰国した年分は、帰国前の国内源泉所得(総合課税の対象となるもの)と帰国後のすべての所得を合計して計算します。
Q. 国外継続利用していたマイナンバーカードは、帰国後もそのまま使えますか?
A. 転入届を出す際に、あわせてマイナンバーカードの記載事項変更の申出をすることで国内でも引き続き利用できます。国外からの転入届をしなかったときや、転入届の後にカードの手続をしないときはカードが失効します。
Q. 海外にいる間に日本の運転免許の有効期限が切れてしまいました。
A. 海外滞在などのやむを得ない理由がある場合、有効期間が過ぎてから3年以内で、帰国した日から1か月以内であれば失効手続ができ、適性試験のみで学科試験と技能試験が免除されます(6か月以内なら理由を問わず手続可能)。3年を超えると失効手続はできません。
Q. 海外の銀行口座を帰国後も残しています。何か届出が必要ですか?
A. 居住者として12月31日に5,000万円を超える国外財産を持っている場合は、国外財産調書を翌年6月30日までに税務署へ提出する必要があります。居住者かどうかは12月31日の現況で判定するため、帰国した年の分から対象になり得ます。
Q. 海外で国民年金に任意加入していました。帰国後は何をすればよいですか?
A. 帰国して住民票を登録すると強制加入被保険者になるため、転入先の市区町村で手続きが必要です。付加保険料や口座振替を続けたい場合は、その際に改めて申し出ます。
出典
- e-Gov法令検索 住民基本台帳法(第22条 転入届)
- 外務省 オンライン在留届(ORRネット)よくある質問
- 総務省 在外選挙制度(投票制度)
- e-Gov法令検索 公職選挙法(第21条、第30条の11)
- デジタル庁 リーフレット「海外でもマイナンバーカードが作れます」
- デジタル庁 よくある質問:マイナンバーカードについて
- 地方公共団体情報システム機構 国外転出者向けマイナンバーカードの手続き
- 厚生労働省 国民健康保険法(第6条、第7条)
- 厚生労働省 国民健康保険法施行規則(第2条)
- 厚生労働省 資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)
- 日本年金機構 国民年金に加入するための手続き
- 日本年金機構 国民年金の任意加入の手続き(日本の年金制度への継続加入)
- 日本年金機構 パンフレット「日本国外・国内へ出入国する方へ 国民年金の手続きが必要です!!」
- 日本年金機構 国民年金保険料
- 日本年金機構 合算対象期間
- 日本年金機構 協定相手国の年金申請の方法
- 日本年金機構 海外にお住まいの年金を受けている方が引っ越しをしたとき
- 総務省 個人住民税
- 国税庁 タックスアンサー No.1935 海外勤務者が帰国したときの確定申告
- 国税庁 タックスアンサー No.2875 居住者と非居住者の区分
- 国税庁 タックスアンサー No.2020 確定申告
- 国税庁 タックスアンサー No.1478 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例
- 国税庁 タックスアンサー No.7456 国外財産調書の提出義務
- 警察庁 外国の運転免許をお持ちの方
- 警視庁 外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには
- 警視庁 令和7年10月1日施行・改正道路交通法施行規則について
- 警視庁 やむを得ない理由があり、失効後6か月を超えて3年以内の手続
- 文部科学省 外国から帰国した学齢児童生徒の就学手続について
- 文部科学省 高等学校への編入学について
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務の助言ではありません。個別の状況については税理士・税務署・年金事務所・市区町村などに確認してください。
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