日本国籍の人は、2024年5月27日から国外転出後もマイナンバーカードを使い続けられるようになり、マイナポータル、e-Tax、eLTAX、ねんきんネットといった日本の行政オンラインサービスの多くを海外からも利用できます。ただし、サービスごとにログインの方法、使える機能、使えない機能、納付の手段、利用時間が異なり、国外転出者向けの電子証明書を持っていることが前提になるものがほとんどです。このページでは、海外在住者が実際に使う場面ごとに何ができて何ができないかを公式情報に沿って整理し、マイナンバーカードの国外継続利用や確定申告・年金・在留届の制度そのものは、それぞれの既存ガイドに譲ります。
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海外から使える日本の行政オンライン手続きまとめ:マイナポータル・e-Tax・eLTAX・ねんきんネット・戸籍電子証明書(2026年)
最終確認: 2026-10(公的機関の情報をもとに作成)
全体像:海外から使える日本の行政オンラインサービスと前提条件
海外から日本の行政手続をオンラインで行うとき、入口になるのはマイナンバーカードの電子証明書です。マイナポータルのよくある質問では、国外に転出した後にマイナポータルを利用するには国外転出者向けマイナンバーカードが必要とされ、マイナポータル上で国外転出者向けカードに切り替えることはできず、切り替えの手続は国外転出前に自治体の窓口で行うとされています。カードを持たずに国外転出した日本国籍の人は、2015年10月5日以降に国外転出していれば国外転出者向けカードを新たに申請でき、デジタル庁の重点計画(2026年7月21日閣議決定)では、そのオンライン申請が2026年5月に始まったとされています。
主なサービスと、海外在住者にとっての位置づけは次のとおりです。それぞれの詳しい使い方は後の節で説明します。
- マイナポータル(デジタル庁):国外転出者向けカードでログインし、年金記録の確認(ねんきんネットへの連携)、公金受取口座の登録、医療費通知情報の閲覧、戸籍電子証明書提供用識別符号の取得、パスポートの国外申請などに使います。使えない機能(申請用プロフィールの設定、引越し手続、国家資格の登録・各種申請、医療等分野の電子署名利用申請)は、電話番号・本人確認のガイドで説明しています
- e-Tax(国税庁):所得税などの申告・納税をインターネットで行う国税の電子申告・納税システムです。非居住者でも利用者識別番号を取得でき、海外からの納付手段としてクレジットカード納付やインターネットバンキングなどが用意されています。確定申告の制度そのもの(申告が必要な所得、納税管理人の届出など)は確定申告のガイドを参照してください
- eLTAX(地方税共同機構):住民税などの地方税の電子申告・申請・納付を全国の地方団体に対して一つの窓口で行う地方税ポータルシステムです。2026年1月から個人住民税の電子申告も始まりました
- ねんきんネット(日本年金機構):年金記録や見込額の確認、電子版ねんきん定期便、控除証明書・源泉徴収票の電子受取、一部の届書の電子申請ができます。日本年金機構は、海外に居住していても利用できると案内しています
- ORRネット(外務省):在留届のオンライン提出と変更・帰国届に加え、在留届をオンラインで出している人はパスポートと証明(在留証明など)のオンライン申請もできます。詳細は在留届・在外選挙・パスポートのガイドと、在留証明・署名証明のガイドで扱っています
- 戸籍電子証明書提供用識別符号(電子戸籍パス):法務省の戸籍情報連携システムを使って、紙の戸籍謄本の代わりに16桁の数字を提示する仕組みです。マイナポータルから無料で取得でき、国外転出者向けカードでも取得できます
- 住民票の写しなどのコンビニ交付、戸籍の広域交付、在外選挙のインターネット投票など、2026年10月時点で海外からは使えない手続もあります。できないことは後の節でまとめます
マイナポータルを海外で使う:年金記録・控除証明書・公金受取口座・医療費通知の用途別ガイド
マイナポータルは、国外転出者向けカードの利用者証明用電子証明書(数字4桁の暗証番号)でログインします。海外在住者が実際に使う場面は、大きく分けて、年金に関する確認と申請、確定申告に使う証明書の受取、公金受取口座の登録、医療費通知情報の閲覧、各種の国機関への申請(戸籍電子証明書提供用識別符号の取得やパスポートの申請)です。
年金記録と見込額の確認は、マイナポータルの「おかね」から「年金」に進み、ねんきんネットに遷移して閲覧します。初回はマイナポータルとねんきんネットの連携設定が必要で、「外部サイトとの連携」メニューからも連携できます。日本年金機構の案内では、初回の連携手続の受付は平日の午前8時から午後11時まで(日本時間)で、時間帯によっては連携完了までに時間がかかることがあります。基礎年金番号を持っていない人などは利用できない場合があります。連携しようとしても使えないときは、年金制度に加入して間もない場合は翌月中旬以降にもう一度連携手続を行い、国民年金・厚生年金保険・船員保険に加入したことがない人(共済組合のみの加入者など)はねんきんネットのユーザIDを取得して使う、とされています。
確定申告に使う証明書は、ねんきんネットで「電子送付」を申し込んでおくと、社会保険料(国民年金保険料)控除証明書と公的年金等の源泉徴収票がマイナポータルの「お知らせ」に電子データで届きます。電子送付を選ぶと郵送は止まります。紙で受け取った通知書も、ねんきんネットで再交付申請をすれば3〜5営業日後に電子データで受け取れます。ただし、令和3年分以前の電子データは確定申告書等作成コーナーに取り込めません。
公金受取口座は、給付金等の受取のために本人名義の預貯金口座を1人1口座、国(デジタル庁)に登録する制度です。デジタル庁のよくある質問では、国外転出していても国外転出者向けマイナンバーカードを持っていればマイナポータルで登録できるとされています。注意点は次のとおりです。
- マイナポータルで公金受取口座を変更しても、年金の受取口座は自動では変わりません。年金の受取口座を変えるには、マイナポータルの「おかね」→「年金」→「老齢年金の受給」欄から別途手続をします(老齢年金以外も同じ項目から手続できます)
- 確定申告で納税管理人を指定している場合、国税庁の手引きでは還付金の振込先は納税管理人名義の口座となり、公金受取口座として登録・利用することはできないとされています(詳しくは確定申告のガイドを参照)
- 国外転出者は、マイナポータルからの預貯金口座へのマイナンバー付番申請はできません(付番される口座が0件になります。電話番号・本人確認のガイドを参照)
- 医療費通知情報として閲覧できるのは、2021年9月以降に日本の保険医療機関・保険薬局の窓口で支払った、公的医療保険に係る医療費です。受診した医療機関名や、医療費控除の判定基準になる年間(1月〜12月)の窓口負担相当額も見られます。2021年分の所得税の確定申告から、医療費控除の手続でマイナポータル連携による自動入力ができます(自動入力できるのは本人分のみで、家族分は代理人登録と事前設定が必要です)
- 医療費通知情報は、海外の医療機関で支払った費用や、自由診療、はり・きゅう、柔道整復などの審査支払機関を通らない費用は表示されません。また、転職などで医療保険の資格が変わった直後や、保険者が情報の確認作業をしている間は、以前の保険に関する医療費通知情報の閲覧が止まることがあり、その場合は以前加入していた保険者に問い合わせるよう案内されています
- 住民票の写しや戸籍謄本をマイナポータル上でPDFなどの電子ファイルとして取得することはできません。自治体によってはマイナポータルから交付の電子申請ができますが、証明書は郵送などで紙で届きます
e-Taxを海外から使う:ログイン方式・利用者識別番号・作成コーナーの制約・納付方法
e-Taxは、所得税・贈与税・法人税・消費税などの申告、全税目の納税、申請・届出をインターネットで行うシステムで、メンテナンス時間を除き24時間利用できます(利用可能時間カレンダーが公開されています)。電子署名に使える電子証明書には、公的個人認証サービス(マイナンバーカード)の電子証明書が含まれます。国外継続利用の手続で発行される国外転出者向けの電子証明書も公的個人認証サービスの電子証明書で、デジタル庁は国外転出後のe-Taxによる申告を利用例として挙げています(詳細は確定申告のガイドを参照)。
マイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式」は、税務署で本人確認を受けて発行されたID・パスワードで確定申告書等作成コーナーから送信する方法ですが、国税庁は2025年10月1日から新規発行を停止しており、e-Taxのよくある質問(2026年7月23日更新)では令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定とされています。ID・パスワード方式で申告した場合でも、e-Taxのメッセージボックスを閲覧するにはマイナンバーカードなどの電子証明書が原則として必要です。これから海外で申告する人は、マイナンバーカード方式を前提に準備してください。
海外から使うときの実務上のポイントは次のとおりです。
- 利用者識別番号は非居住者でも新たに取得できます。e-Taxのよくある質問では、開始届出の入力画面で日本国内の納税地を入力し、海外の住所は「建物名・号室」欄に、納税管理人の住所・氏名は「参考事項等」欄に入力するよう案内されています
- 確定申告書等作成コーナーでは、出国の場合の準確定申告書は作成できません。手書きまたはe-Taxソフト等で作成します
- 海外からの納付:国税庁は、国外に住所または居所を有する人の納付手続として、クレジットカード納付、ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)、インターネットバンキング等による納付、国外からの送金による納付、納税管理人による納付を挙げています。ダイレクト納付とインターネットバンキングには、事前のe-Taxの利用開始手続と国内の金融機関の預貯金口座が必要です
- クレジットカード納付は「国税クレジットカード収納サイト」(運営は株式会社エフレジ)で行い、1回の手続で納付できるのは1,000万円未満かつカードの決済可能額以下(決済手数料を含む)です。決済手数料(税込)は納付額1万円まで99円で、以後1万円を超えるごとに99円が加算されます。使えるカードはVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubで、24時間利用できますが、領収証書は発行されません。印紙税・登録免許税などは利用できません
- 国外からの送金による納付(2022年1月4日開始)は、送金前に東京国税局(代表03-3542-2111、国外納付専用窓口、日本時間の平日8時30分〜17時)に連絡し、円建てで送金します。手数料は納税者負担で、領収証書が届くまでおおむね2〜3週間かかり、利用できない税目があります
- 納税管理人が本人に代わって納付する方法もあります。納税管理人の届出や、どの所得に申告が必要かは確定申告のガイドを参照してください
eLTAXで地方税を海外から申告・納付する:個人住民税の電子申告とeLお支払サイト
eLTAX(エルタックス)は、地方公共団体が共同で運営する地方税共同機構が開発・運用する地方税ポータルシステムで、利用は無料です。従来は紙の申告書を地方団体ごとに提出する必要がありましたが、eLTAXでは一つの窓口から複数の都道府県・市区町村への申告・申請・納税ができます。アクセス時の利用者認証は、利用者IDと暗証番号の入力、またはマイナンバーカードで行います。
個人の海外在住者に関係が深いのは、2026年1月に始まった個人住民税の電子申告と、地方税の電子納付(共通納税)です。地方税共同機構の案内では、令和4年度税制改正を受けて地方税のすべての申告・申請手続を順次eLTAXに対応させることとされ、個人住民税の申告については令和8年度申告分(令和7年分の収入に対する申告分)から電子申告サービスが始まりました。個人住民税の申告はPCdeskではなく専用の「eLTAX個人住民税電子申告システム」から、スマートフォンやパソコンで行います。申告や控除の内容そのものは各市区町村に確認します。海外転出に伴う住民税の仕組みや納税管理人の届出は、住民税のガイドを参照してください。
利用に当たっての主な点は次のとおりです。
- 電子申告・納税を自分で行うには、PCdesk(WEB版)から主たる提出先の地方団体1つに対して利用届出(新規)を行い、利用者IDを取得します。メールや書面での利用届出は受け付けていません。利用者IDは、eLTAXに5年間ログインしないと失効します
- 本人が申告データを送信するには電子署名が必要で、利用できる電子証明書には公的個人認証サービス(マイナンバーカード)の電子証明書が含まれます。税理士に作成・送信を依頼する場合は、納税者本人の電子証明書は不要です。MacOSでは公的個人認証サービスの電子証明書のみ利用できます
- eLTAXのよくある質問には、海外の住所の入力方法として、住所検索を使わず住所欄と建物欄に海外住所を直接入力し、郵便番号欄が必須の場合は「0000000」を入力する、という案内があります
- 納付:地方団体から届く納付書に印字されたeL番号・eL-QRを使って「eLお支払サイト」から納付できます。支払方法はクレジットカード、インターネットバンキング、口座振替(ダイレクト方式。利用者IDの取得と口座の事前登録が必要で、納付のつど手続します)、ペイジー、eL-QR対応のスマートフォン決済アプリです。クレジットカードにはシステム利用料がかかり、納付額1万円まで40円、2万円まで123円、以後1万円ごとに75円(税別)が加算されます。ダイレクト納付・インターネットバンキング・クレジットカードでは領収証書は発行されません
- eLお支払サイトは、以前は「地方税お支払サイト」と呼ばれていたもので、2026年9月からは地方税以外の公金のeL-QR納付にも対応しています。手数料や対応アプリは納付前にサイトで確認してください
- 利用時間:地方税共同機構のよくある質問では、電子申請・届出、利用届出、および情報連携方式・ダイレクト方式・クレジットカードの電子納付は、メンテナンス時間帯と年末年始(12月29日〜1月3日)を除き毎日24時間利用できるとされています。ATMやインターネットバンキングによる納付は1月1日〜3日を除くほか、金融機関の運用時間によります。納付番号などの情報はeLTAXの利用時間内にPCdesk(WEB版)で確認します。いずれも日本時間です
- 給与支払報告書や特別徴収に関する手続は事業主(特別徴収義務者)向けのもので、個人の住民税の申告とは別の手続です
ねんきんネットを海外から使う:登録方法・できること・現況届のオンライン化の状況
ねんきんネットは、日本年金機構が提供する個人向けのオンラインサービスで、スマートフォンやパソコンから24時間使えます。日本年金機構のよくある質問では、海外に居住している場合でも利用でき、ユーザIDで登録する場合は「アクセスキーなし」から申請し、入力した情報と基礎年金番号に登録されている内容が一致したときに限ってユーザIDが発行され、申請した海外住所に郵送されるとされています。マイナンバーカードを持っている人は、前の節で説明したマイナポータルからの連携でユーザIDなしで利用できます。基礎年金番号が必要で、昭和61年4月以前に年金受給権が発生した老齢年金の受給者は利用できません。
ねんきんネットでできることは次のとおりです。海外在住者の年金請求や受取口座、税金の扱いは年金のガイドで詳しく説明しています。
- 年金記録の確認、将来の年金見込額の試算、電子版「ねんきん定期便」の閲覧。海外に住む人への紙のねんきん定期便は原則として国内の住所に送られますが、厚生年金保険の被保険者などは海外送付を申し込めます(届くまで3か月程度)。ねんきんネットなら郵送を待たずに電子版を確認できます
- 年金の支払いに関する通知書や国民年金保険料の通知書の確認、追納できる月数・金額の確認、通知書(源泉徴収票・社会保険料控除証明書など)の再交付申請、各種届書の作成・印刷
- 電子申請:マイナポータル経由でねんきんネットにログインしている場合、老齢給付の年金請求書、年金受取機関変更届、公的年金等の受給者の扶養親族等申告書、国民年金保険料の口座振替納付(変更)申出書などを電子申請できます。国民年金保険料の免除・納付猶予の申請などもマイナポータルの「年金」から行えます
- オンライン文書相談(試行実施中):海外に住む人、離島に住む人、聴覚・言語・身体に障害がある人を対象に、ねんきんネット上で相談内容を登録して後日回答を受け取れます。マイナンバーカードでマイナポータル経由の登録をしていることと、メールアドレスの登録が条件で、回答までの目安は1〜2週間です(2026年10月14日更新の案内)
- 現況届のオンライン化の状況:海外に住む年金受給者が毎年誕生月の末日までに提出する現況届は、ねんきんネットの電子申請の対象には含まれていません。日本年金機構は、マイナンバーカードを持っている人はe-Gov電子申請で現況届を提出できると案内しています。日本国籍の人が添付する在留証明は誕生月を含む過去6か月以内のものが必要で、2025年5月27日からはロシア・イランの公館を除く在外公館で電子化された在留証明(e-証明書)も取得できます。e-Govの操作に関する問い合わせ先はe-Govの利用者サポートデスクです
- 2025年4月以降に誕生月を迎える人の現況届は誕生月の3か月前に発送されます。誕生月の中旬までに届かない場合は、到着を待たずに、ウェブサイトから印刷した現況届に在留証明などを添えて提出します。国際郵便の引受停止国に住む人は、現況届が提出されなくても郵便事情が回復するまで年金の支払いは止まりません
戸籍・証明書・パスポート・在留届:オンラインでできること、海外からはできないこと
戸籍電子証明書提供用識別符号(電子戸籍パス)は、行政手続で自分の戸籍電子証明書を申請先の行政機関に提供するための数字16桁のコードで、窓口やオンライン手続で提示すると戸籍謄本等の提出が不要になります。法務省の案内では、マイナポータルでは本人(15歳以上)が無料で取得でき、市区町村の窓口では有料(戸籍証明書と同時に請求する場合は無料。手数料は市区町村が定め、例えば箕面市は400円)で、配偶者や直系親族も請求できます。有効期間は発行から3か月で、期間内であれば複数の手続に使えます。マイナンバーとは紐付いていません。
マイナポータルのよくある質問(2025年5月13日公開)では、国外転出の際にマイナンバーカードの継続利用手続を行い、国外転出の手続をしたカードを持っていれば、海外からでも識別符号の取得手続ができるとされています。手順は、ログイン後に「さがす」→「証明書」→「戸籍電子証明書提供用識別符号の取得手続き」を選び、カードを読み取って本籍と筆頭者氏名を確認し、署名用電子証明書の暗証番号(英数字6〜16文字)で電子署名します。「やること」で請求の完了を確認した後、申請状況照会詳細画面に識別符号が表示されます。署名用電子証明書の暗証番号を5回連続で間違えるとロックされ、海外では解除が難しいため、出国前に確認しておいてください。戸籍情報連携システムは毎月第1・第3土日に定期メンテナンスがあり、その間はマイナポータルでの発行手続ができません(2026年10月は3日0時〜5日0時、17日0時〜19日0時)。
識別符号が使える主な手続は、マイナポータルや在外公館でのパスポート申請、在外公館での証明の申請(2025年3月24日から、戸籍謄本の代わりに使えます)、法務局の相続人申告登記の申出などです。マイナポータル上で識別符号を使う手続はパスポート申請です。
- パスポート:マイナポータルのよくある質問(2026年8月25日公開)では、国外転出の手続をしたマイナンバーカードを持っていれば、マイナポータルでパスポートの国外申請ができるとされています。未成年の子の分を法定代理人が申請する場合は、子のカードが国外転出の手続をしたものであることが必要で、法定代理人のカードは国外転出の手続をしていなくても構いません
- パスポート申請の最初の質問「マイナンバーカードに登録されている住所」に「国内」と答えると、カードの住所が国外転出のため「マイナンバーカードから取得した住所が国外転出です」というエラーになります。一時帰国中に国内の旅券窓口で申請・受取をしたい場合は、「国外転出」と答えたうえで受取窓口の選択画面で「日本国内の窓口に申請する」を選びます
- ORRネットでオンライン在留届を提出した人は、ORRネットからもパスポートと証明のオンライン申請ができます。パスポートの新規申請や記載事項変更、一部の証明の申請には、識別符号の提示(または戸籍謄本の原本の提出)が必要です。失効したパスポートの番号で在留届を出した場合はパスポートのオンライン申請はできますが証明のオンライン申請はできず、書面で在留届を出した場合はどちらもできません。書面の在留届の内容はORRネット上で変更できないため、新たにオンラインで在留届を提出するか、在外公館の窓口でオンライン化の手続をします
- 在留届は原則としてORRネットで提出することとされ、日本から転居する場合は現地到着の90日前から提出できます。在留届・在外選挙・パスポートのガイドに詳しくまとめています
- 在外選挙:在外選挙人名簿への登録は出国時申請か在外公館申請で、投票は在外公館投票・郵便等投票・日本国内での投票の3つです。総務省の在外選挙制度のページにインターネット投票はなく、デジタル庁の重点計画(2026年7月)でも在外選挙のネット投票は「調査研究を行う」段階です。詳しくは在留届・在外選挙・パスポートのガイドを参照してください
- コンビニ交付は海外からは使えません:コンビニ交付は日本国内のコンビニ等の店舗に設置されたキオスク端末で証明書を受け取る仕組みです。国外転出者は住民票がないため、そもそも住民票の写しや印鑑登録証明書の交付対象になりません。一時帰国中であれば、本籍地の市区町村に利用登録申請(例えば神戸市は登録まで3〜5開庁日)をしたうえで、戸籍全部・個人事項証明書と戸籍の附票の写しを国内のコンビニで取れます。戸籍の広域交付も窓口に本人が行く必要があり、海外からは使えません(在留証明・署名証明のガイドを参照)
海外からのアクセス制限・利用時間と、デジタル庁の重点計画に書かれている今後の予定
海外から日本の行政サイトにつながらないという相談は多いのですが、2026年10月時点で、マイナポータル、e-Tax、eLTAX、ねんきんネット、ORRネットの公式サイト上に、日本国外のIPアドレスからのアクセスを一律に遮断すると明記した案内は確認できませんでした。逆に、日本年金機構はねんきんネットを海外からも利用できると明記し、マイナポータルのよくある質問は戸籍電子証明書提供用識別符号の取得手続が海外からでも可能だとしています。つながらない場合は、利用時間(すべて日本時間)、メンテナンス、推奨環境、マイナンバーカードの読み取り環境を先に確認してください。
利用時間とメンテナンスの要点は次のとおりです。
- e-Tax:メンテナンス時間を除き24時間。日ごとの利用可能時間カレンダー(0時〜24時の日、8時30分〜24時の日、終日メンテナンスの日)が公開されています
- eLTAX:電子申請・届出と主な電子納付はメンテナンス時間帯と12月29日〜1月3日を除き毎日24時間。ATM・インターネットバンキングは金融機関の運用時間によります
- ねんきんネット:24時間。ただしマイナポータルからの初回連携は平日の午前8時から午後11時まで
- マイナポータルの戸籍関連手続:法務省の戸籍情報連携システムの定期メンテナンス(毎月第1・第3土日)中は利用できません。マイナポータルやORRネット上のパスポートのオンライン申請も、法務省・デジタル庁のメンテナンスにより使えない期間があります
- ORRネットの動作環境は、Windows 10・11のMicrosoft Edge・Firefox・Google Chrome、MacのSafari、スマートフォンのAndroid・iOSの各ブラウザです(よくある質問に記載)
- 国外からの送金による国税の納付の問い合わせ窓口(東京国税局)は日本時間の平日8時30分〜17時、ねんきんネットの電話窓口(+81-3-6700-1144)は日本時間の平日と第2土曜日に限られます
- 以下は、2026年7月21日に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の重点政策一覧に含まれる、海外在住者に関係する取組です。いずれも計画段階の記述で、開始時期は「目途」や「検討」として書かれているものが多いため、実施状況は各省庁の発表で確認してください
- マイナンバーカードの国外継続利用(主担当:総務省、関係:デジタル庁・外務省):2026年5月に開始された国外転出者向けマイナンバーカードのオンライン申請の安定的な運用と利用推進を図るとともに、在外公館に統合端末を設置することを検討し、マイナンバーカード関連手続の利便性向上と円滑な領事業務を進めるとされています。また、国外転出者向けカードへの旧氏とその振り仮名の記載は令和9年度(2027年度)中を目途に開始することとされています
- マイナポータルを利用した旅券のオンライン申請の利便性向上(主担当:外務省、関係:デジタル庁・法務省):令和9年度までに、旅券のオンライン申請における戸籍情報連携を全申請種別に拡大し、顔照合機能の拡充など機械審査の能力を高めるとされています。分かりやすい導線・表示へのインターフェース改善も挙げられています
- 在外選挙人名簿登録申請のオンライン化等の検討(主担当:総務省、関係:デジタル庁・外務省):在外選挙人名簿登録申請の手続におけるマイナンバーカードの活用を関係府省庁と検討し、在外選挙におけるネット投票については引き続き課題の整理などの調査研究を行うとされています
- マイナアプリ(主担当:デジタル庁):マイナポータルアプリなどを統合した「マイナアプリ」の運用を令和8年(2026年)夏頃に開始するとされています
- 本ページは制度の一般的な説明です。各サービスの仕様や利用時間は頻繁に変わるため、実際の手続の前に、デジタル庁、国税庁(e-Tax)、地方税共同機構(eLTAX)、日本年金機構、外務省、法務省の最新の案内を確認してください。税務上の判断は税理士または所轄の税務署にご相談ください
よくある質問
Q. 海外からマイナポータルで年金記録を確認できますか?
A. 国外転出者向けマイナンバーカードでマイナポータルにログインし、「おかね」→「年金」からねんきんネットに連携すれば、年金記録や見込額を確認できます。初回の連携手続は平日の午前8時から午後11時まで(日本時間)に行います。基礎年金番号がない人などは連携できない場合があり、共済組合のみに加入してきた人はねんきんネットのユーザIDを取得して利用します。日本年金機構は、ねんきんネットは海外に居住していても利用でき、ユーザIDは海外住所にも郵送すると案内しています。
Q. 海外在住でも公金受取口座を登録できますか?
A. デジタル庁のよくある質問では、国外転出していても国外転出者向けマイナンバーカードを持っていればマイナポータルで登録できるとされています。登録できるのは本人名義の預貯金口座1つです。公金受取口座を変更しても年金の受取口座は自動では変わらないため、年金の口座はマイナポータルの「年金」から別途手続します。確定申告で納税管理人を指定している場合、還付金の振込先は納税管理人名義の口座になり、公金受取口座は使えません。
Q. e-TaxのID・パスワード方式は海外からも使えますか?
A. ID・パスワードをすでに持っている人は当面使えますが、国税庁は2025年10月1日から新規発行を停止しており、令和9年分の確定申告からは利用できなくなる予定です。これから海外で申告する人は、国外転出者向けマイナンバーカードの電子証明書を使うマイナンバーカード方式を前提に準備してください。非居住者でも利用者識別番号は取得でき、開始届出では日本国内の納税地を入力し、海外住所は「建物名・号室」欄、納税管理人は「参考事項等」欄に入力します。
Q. 海外から日本の税金をクレジットカードで払えますか?
A. 国税は「国税クレジットカード収納サイト」で、1回1,000万円未満かつカードの決済可能額以下の範囲で納付でき、決済手数料は納付額1万円まで99円、以後1万円ごとに99円加算(税込)です。地方税は納付書のeL番号・eL-QRを使って「eLお支払サイト」からクレジットカードで納付でき、システム利用料は1万円まで40円、以後1万円ごとに75円(税別)加算です。どちらも領収証書は発行されません。Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubが国税で使えます。
Q. 海外に住む年金受給者の現況届はオンラインで出せますか?
A. ねんきんネットの電子申請の対象には含まれていませんが、マイナンバーカードを持っている人はe-Gov電子申請で現況届を提出できると日本年金機構は案内しています。提出期限は誕生月の末日で、日本国籍の人は誕生月を含む過去6か月以内の在留証明を添付します。2025年5月27日からは、ロシア・イランの公館を除く在外公館で電子化された在留証明(e-証明書)も取得できます。
Q. 戸籍電子証明書提供用識別符号(電子戸籍パス)は海外から取れますか?
A. 取れます。マイナポータルのよくある質問では、国外転出の手続をしたマイナンバーカードを持っていれば海外からでも取得手続ができるとされています。ログイン後に「さがす」→「証明書」から手続し、署名用電子証明書の暗証番号で電子署名します。無料で、有効期間は発行から3か月です。在外公館でのパスポート申請や在留証明などの証明申請で、戸籍謄本の代わりに使えます。毎月第1・第3土日は戸籍情報連携システムのメンテナンスのため取得できません。
出典
- マイナポータル よくある質問「国外に転出した後も、マイナポータルは利用できますか」
- マイナポータル よくある質問「国外に転出します。マイナポータルで必要な手続はありますか」
- マイナポータル よくある質問「年金見込額を確認したいのですが、どうすればよいですか」
- マイナポータル よくある質問「マイナポータルから年金に関する申請を行う方法」
- マイナポータル よくある質問「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の取得方法」
- マイナポータル よくある質問「公金受取口座登録制度とは何ですか」
- マイナポータル よくある質問「公金受取口座を変更すると年金の受取口座も自動で変更されますか」
- マイナポータル よくある質問「医療費通知情報ではどのような情報が閲覧できますか」
- マイナポータル よくある質問「医療費通知情報は、医療費控除を受けるための手続で活用できますか」
- マイナポータル よくある質問「薬剤情報や医療費通知情報などを見られなかったのですが、なぜですか」
- マイナポータル よくある質問「マイナポータルで戸籍謄本(全部事項証明書)や住民票を取得できますか」
- マイナポータル よくある質問「戸籍電子証明書提供用識別符号とは何ですか」
- マイナポータル よくある質問「マイナポータルで戸籍電子証明書提供用識別符号を取得する方法」
- マイナポータル よくある質問「海外からでも戸籍電子証明書提供用識別符号の取得手続きは可能でしょうか」
- マイナポータル 操作マニュアル「戸籍電子証明書提供用識別符号の取得申請」
- マイナポータル よくある質問「国外に転出しています。マイナポータルでのパスポート申請は可能ですか」
- マイナポータル よくある質問「パスポート申請時に『マイナンバーカードから取得した住所が国外転出です』というエラーが表示されます」
- デジタル庁 公金受取口座登録制度 よくある質問(登録手続)
- デジタル庁 デジタル社会の実現に向けた重点計画(2026年7月21日閣議決定)
- デジタル庁 重点計画 重点政策一覧(PDF)
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