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海外移住・海外赴任と住宅ローン控除:単身赴任・家族帯同の扱いと帰国後の再適用、ローン契約の注意点(2026年)

最終確認: 2026-10(公的機関の情報をもとに作成)

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、その年の12月31日まで引き続きその家に住んでいることが要件です。海外へ出るときは、家族が自宅に残るのか、家族全員で出国するのかで扱いが大きく変わり、家族全員で出る場合は出国(転居)の日までに税務署へ届出書を出しておかないと、帰国後に残りの控除期間の再適用を受けられません。ローン契約は本人や親族が住むことが前提なので、留守中に賃貸に出すときは事前に返済中の金融機関で手続が必要です。

住宅ローン控除の基本と「居住要件」

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)は、住宅ローン等を利用してマイホームの新築・取得・増改築等をし、令和4年(2022年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までの間に居住を始めた場合に、年末のローン残高(取得対価の額の方が少なければその額)に0.7%を掛けた金額を、控除期間(新築等は原則13年、中古住宅は10年または13年)にわたって所得税額から差し引く制度です。令和8年度税制改正で、適用期限が入居日ベースで令和12年12月31日まで5年間延長されました。

海外へ出る人にとって重要なのは、居住に関する次の要件です。国税庁は、住宅の取得等の日から6か月以内に居住を始め、かつ、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していることを要件の一つとしています。年の途中で家族全員が家を出ると、その年から控除は受けられなくなります。

家族を日本に残して単身で出国する場合

国税庁タックスアンサーNo.1234では、家屋の所有者が転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により家族(配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族)と離れて暮らす場合でも、家族が住宅の取得等の日から6か月以内に入居してその後も引き続き住んでおり、事情が解消した後は所有者も一緒に住むと認められるときは、所有者本人が住み続けているものとして控除を受けられるとしています。

転勤先が国外で、本人が非居住者になる場合は、住宅を取得等した日によって扱いが分かれます。

家族全員で出国する場合と、帰国後の再適用の手続

控除を受けていた人が家族と共に家を出ると、住まなくなった日の属する年以降は控除を受けられません。ただし、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、帰国して再びその家に住んだ年(その年に家を賃貸していた場合は翌年)以後、残りの控除期間について再適用を受けられます。この扱いは転勤先が国内でも国外でも同じです。

1つ目は、勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があることです。国税庁の質疑応答事例では、「これに準ずるやむを得ない事由」は自己の都合によるものではなく、従わざるを得ない事由に限られると説明されており、子会社への出向命令に伴う転居は該当するとされています。自分の意思で海外へ移住する場合や転職に伴う移住が該当するかは個別の判断になるため、出国前に税務署へ確認してください。

2つ目は、家を住まなくなる日までに、所定の手続をしていることです。手続と注意点は次のとおりです。

2024年以降の改正と、海外から帰国して住宅を買う場合

令和6年(2024年)以降に居住を始める場合は、住宅の省エネ性能によって借入限度額が細かく分かれています。国税庁No.1211-1・No.1211-3(令和8年4月1日現在法令等)による主な内容は次のとおりです。「子育て世帯等」にあたる特例対象個人とは、40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、または19歳未満の扶養親族がいる人で、居住を始めた年の12月31日の現況で判定します。

住宅ローン契約上の扱い:フラット35と民間ローン

税金の控除とは別に、住宅ローンの契約そのものにも居住に関する条件があります。住宅金融支援機構の【フラット35】は、申込本人またはその親族が住む住宅の取得資金に使途が限られ、第三者に賃貸する目的の投資用物件には利用できません。機構は、転送不要郵便で融資住宅あてに融資額残高証明書を送るなどの方法で、実際に住んでいるかを定期的に確認しており、第三者への賃貸など目的外の利用が判明した場合は、借入金の全額を一括返済することになると案内しています。

一方で、機構のよくある質問では、転勤等のやむを得ない事情で一時的に住めない場合は、融資住宅に戻ることを前提に賃貸することは可能で、その際は返済中の金融機関の窓口で住所変更の手続を行うよう案内されています。戻る予定のない移住で自宅を賃貸に出す場合がこれに当たるかは、事前に返済中の金融機関に確認してください。

団体信用生命保険(団信)の確認ポイント

団体信用生命保険は、ローンの借主に万一のことがあった場合に、保険金で残りの住宅ローンを返済する仕組みです。【フラット35】の新機構団信では、住宅金融支援機構が保険契約者・保険金受取人となり、死亡したとき、または身体障害者手帳(障害等級1級・2級)の交付を受けたときに保険金が支払われ、以後の返済が不要になります。保障は満80歳の誕生日の属する月の末日までで、所定の高度障害状態に対する高度障害保険金の取扱いはありません。

移住前に確認したい点は次のとおりです。

自宅を残すか、貸すか、売るか:判断の分岐とチェックリスト

海外へ出るときの自宅の扱いは、大きく「家族が住み続ける」「空き家のまま管理する」「賃貸に出す」「売却する」に分かれます。賃貸収入や売却益にかかる日本の税金(不動産所得の確定申告、20.42%・10.21%の源泉徴収、3,000万円特別控除の期限など)は、海外移住後の日本の不動産のガイドで詳しく扱っています。ここでは住宅ローンと控除の観点だけを整理します。

本ページは制度の一般的な説明で、個別の税務・契約上のアドバイスではありません。適用の可否や手続は、所轄の税務署、返済中の金融機関、税理士にご相談ください。

よくある質問

Q. 家族を日本に残して単身で海外赴任します。住宅ローン控除は続けられますか?

A. 平成28年4月1日以後に取得等した住宅で、生計を一にする家族が年末まで住み続け、赴任が終われば本人も一緒に住むと認められる場合は、本人が非居住者でも控除の対象になります。ただし、出国前の給与所得や出国後の国内不動産所得など、総合課税の対象となる国内源泉所得がある年分に限られます。平成28年3月31日以前の取得等の場合、非居住者期間中は控除を受けられません。

Q. 家族全員で海外赴任します。帰国後にまた控除を受けられますか?

A. 勤務先からの転任命令など、やむを得ない事由で家を出る場合は、出国(転居)の日までに「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を家屋の所在地の所轄税務署長に提出しておけば、帰国して再び住んだ年(その年に賃貸していた場合は翌年)以後、残りの控除期間について再適用を受けられます。控除期間は延長されないため、海外にいた期間の分は戻りません。

Q. 会社の転勤ではなく、自分の意思で海外に移住します。再適用は受けられますか?

A. 再適用の要件は、勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があることです。国税庁の質疑応答事例では、これに準ずる事由は自己の都合によるものではなく、従わざるを得ない事由に限られると説明されています。自分の意思による移住が該当するかは個別の判断になるため、出国前に税務署に確認してください。

Q. 届出書を出さずに出国してしまいました。もう再適用は受けられませんか?

A. 原則として、家に住まなくなる日までの提出が必要です。ただし、提出がなかったことについて税務署長がやむを得ない事情があると認め、その後に届出書の提出があった場合に限り再適用を受けられる規定があります。認められるかどうかは税務署の判断になるため、早めに所轄の税務署に相談してください。

Q. 海外にいる間、フラット35で買った自宅を賃貸に出してもよいですか?

A. 住宅金融支援機構のよくある質問では、転勤等のやむを得ない事情で一時的に住めない場合、融資住宅に戻ることを前提に賃貸することは可能で、金融機関の窓口で住所変更の手続が必要とされています。戻るつもりがなく第三者に貸すなど投資用住宅としての利用が判明した場合は、全額の一括返済を求められることがあります。民間ローンの扱いは各金融機関の契約によるため、必ず事前に確認してください。

Q. 海外に住みながら、帰国後に住む家を日本で買う契約をしました。住宅ローン控除は受けられますか?

A. 国税庁は、家屋の引渡しを受ける日が平成28年4月1日以後であれば、居住者か非居住者かにかかわらず、その他の要件を満たせば住宅ローン控除を受けられると説明しています。取得等の日から6か月以内に住み始め、その年の12月31日まで引き続き住むことなどの要件があり、令和6年以降の居住では省エネ性能によって借入限度額が異なります。

出典

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務の助言ではありません。個別の状況については税理士・税務署・年金事務所・市区町村などに確認してください。

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