海外に移住すると、日本の携帯電話番号を手放したことでSMS認証が受け取れなくなったり、日本の住所がないために携帯電話や金融機関の本人確認で書類が足りなくなったりします。日本国籍の人は、2024年5月27日から国外転出後もマイナンバーカードを使い続けられるようになり、マイナポータルなどのオンライン手続に使えます。出国前にやっておくべきことと、住所欄のない2020年旅券の注意点を整理します。
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海外移住で日本の携帯電話番号はどうする?SMS認証・本人確認・マイナンバーカード国外継続利用まとめ(2026年)
最終確認: 2026-10(公的機関の情報をもとに作成)
海外移住で電話番号と本人確認が問題になる理由
日本の銀行・証券会社・行政サービスの多くは、ログインや重要な操作のときに、登録した日本の携帯電話番号へのSMS(ショートメッセージ)や、マイナンバーカードなどによる本人確認を使います。海外移住で日本の回線を解約すると、こうした確認ができずに手続が止まることがあります。
もう一つの問題は住所です。国外転出届を出すと住民票は消除され、日本の住所を証明する書類が手元からなくなります。携帯電話の契約(携帯電話不正利用防止法)や金融機関の取引時確認(犯罪収益移転防止法)では「氏名・住居・生年月日」を確認するため、日本の住所がないと新規の契約や変更で必要書類がそろわない場合があります。
このページでは、日本の電話番号を残す方法、SMS認証への備え、携帯電話契約の本人確認のルール、マイナンバーカードの国外継続利用とマイナポータル、住所のない状態での本人確認書類、帰国時の手続を順に説明します。海外居住者の銀行口座・送金、在留証明・署名証明はそれぞれ別のガイドで扱っています。
日本の電話番号を残す主な方法(一般論)
日本の携帯電話番号を海外移住後も残したい場合、主に次のような選択肢があります。提供の有無・料金・条件は会社ごとに違い、頻繁に変わるため、ここでは仕組みだけを説明します。必ず契約中の会社の公式案内で最新の条件を確認してください。
- 番号保管(番号預かり)サービス:大手の携帯電話会社の中には、海外赴任や留学などで長期間使わない回線の電話番号(メールアドレスを含む場合もあります)を有料で保管するサービスを用意しているところがあります。保管できる期間には上限があり(会社により数年程度)、期限を過ぎると契約が解除される扱いの会社もあります。回線を休止して番号を預ける仕組みのため、保管中にSMSの認証コードを受け取れるかどうかは各社の条件で確認が必要です
- 低料金プランで回線を維持する:月額の安いプランや低容量のプランに変更して、回線をそのまま使い続ける方法です。海外で日本のSIMを使ってSMSを受信するには、国際ローミングの設定や対応状況の確認が必要で、受信やデータ通信に料金がかかる場合があります
- eSIMを利用する:日本の番号をeSIMにしておけば、現地のSIMと1台の端末で併用しやすくなります。ただし、端末の対応状況、eSIMの再発行や機種変更の手続(本人確認が必要になることがあります)を海外からできるかどうかは会社によって異なります
- 番号を引き継いで別の会社へ移る(MNP)場合や、名義変更・プラン変更をする場合も本人確認が行われるため、日本に住所があるうち(出国前)に済ませておくのが確実です
- 050番号のアプリ電話(いわゆる050アプリ電話)は、総務省令の改正により2024年4月1日から携帯電話不正利用防止法の対象になっており、契約時に本人確認が必要です
SMS認証が必要なサービスで困ること・出国前の準備
日本の電話番号を手放すと、ログイン時や振込・出金時にSMSで届く認証コードを受け取れず、インターネットバンキングや証券口座、各種会員サイトにログインできなくなることがあります。認証用の電話番号を変更するにも、そのSMS認証が必要というケースもあるため、番号を解約する前の対応が重要です。
金融庁は、証券会社等のインターネット取引について、ログイン時・取引時・出金時・出金先口座の変更時の多要素認証などのセキュリティ強化機能を有効にするよう呼びかけており、各証券会社等でパスキー認証などフィッシングに耐性のある多要素認証の必須化が進められているとしています(2026年10月9日更新の注意喚起)。SMS以外の認証方法へ切り替えておけば、海外でも使い続けやすくなります。
- 使っている銀行・証券会社・カード会社・行政サービス・各種アカウントを一覧にし、それぞれの認証方法(SMS、認証アプリ、パスキー、ハードウェアトークンなど)を確認する
- SMS以外の認証方法を提供している場合は、出国前に設定しておく。金融庁は、見覚えのある送信者からのメールやSMSでもリンクを開かず、ブックマークした正しいURLからアクセスするよう注意を呼びかけています
- 登録電話番号・メールアドレス・住所を、海外移住後も連絡がつくものに更新できるかを各社に確認する。非居住者になった後も取引を続けられるかどうかは各社で異なります(詳しくは銀行口座・送金、証券・NISAの各ガイドを参照)
- 金融庁は、金融機関が口座開設時以外にも、現在の住所や職業などを郵送書類や電話等で再確認することがあると案内しています。連絡が届かないと取引が制限されることもあるため、届出情報を最新にしておきます
- マイナポータルは、国外転出者向けのマイナンバーカードがあれば、SMSではなくカードの電子証明書でログインできます(後述)
携帯電話不正利用防止法による契約時の本人確認
携帯電話不正利用防止法(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)は、携帯電話事業者(MNO・MVNO、販売代理店を含む)に、契約締結時や譲渡時の本人確認を義務付けています。所管は総務省と警察庁(国家公安委員会)で、具体的な確認方法は総務省令で定められています。
個人の場合に確認するのは「氏名・住居・生年月日」です。総務省のQ&Aでは、どの本人確認書類・方法を受け付けるかは各社が選ぶものとされています。法律上は住居の確認が欠かせず、非対面の契約では本人確認書類に記載された住居へSIMカードなどを転送不要郵便で送る方法も使われるため、日本国内の住所がない状態では、新規契約や名義変更を受け付けてもらえない場合があります。必要な契約変更は出国前に済ませておきましょう。
- 店頭(対面)では、運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・在留カードなど第三者が入手できない本人確認書類の提示が基本です。本人確認書類の住所が現在の住所と違う場合は、発行から6か月以内の公共料金の領収証書や納税証明書などで補うことができます
- 非対面(オンライン等)の本人確認は、2026年4月1日から原則として本人確認書類のICチップ情報を読み取って送信する方法になり、本人確認書類の写しの送付や券面画像の送信による方法は廃止されました
- 対面での本人確認も、2026年7月27日に公布された改正省令により、2027年4月1日からマイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りなどによる方法に見直されます。総務省は、マイナンバーカードがなくても、写真とICチップの付いた運転免許証や在留カード等を使えるとしています。マイナンバーカードや運転免許証のICチップの利用では暗証番号の入力を求められることがあるため、出国前に暗証番号を確認しておくと安心です
- 2026年4月1日以降、すでに契約している人が2回線目以降を契約する場合は、多要素認証で既契約者と同一人物であることを確認する方式に改められました
- データ通信専用SIMは通話ができないため、携帯電話不正利用防止法の対象外です(各社が独自に本人確認を行うことはあります)。海外の事業者が発行したSIMカードも、日本の電気通信事業者が提供するものでなければ対象外です
- 警察署長からの求めで事業者が契約者の確認を行う「契約者確認」では、SMS等で書類の提示・送付を求められることがあり、応じないと利用を止められることがあります
マイナンバーカードの国外継続利用と国外転出者向け電子証明書
2024年5月27日から、日本国籍の人は国外に転出した後もマイナンバーカードを使い続けられるようになりました。国外転出者については、住民票の代わりに本籍地の市区町村にある「戸籍の附票」を基盤にしてカードと電子証明書(公的個人認証)を管理する仕組みです。日本国籍を持たない人は、従来どおりカードの返納が必要です。
カードを持っている人は、出国前に、住所地の市区町村で転出届とあわせて国外継続利用の手続をします。港区や板橋区の案内では、手続は転出予定日の前日までに行うこととされ、手続をせずに国外転出するとカードは失効します。
- 電子証明書には、署名用電子証明書(電子申請などに使用)と利用者証明用電子証明書(マイナポータルなどへのログインに使用)の2種類があり、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が発行します
- 国外継続利用の手続だけをして電子証明書の手続をしない場合、署名用電子証明書は失効する扱いです(板橋区の案内では翌日失効)。板橋区の案内では、手続時に電子証明書の失効・発行を行うと、手続の日から5回目の誕生日までが有効期間になります
- 暗証番号は、署名用電子証明書が英大文字と数字を組み合わせた6〜16文字、利用者証明用電子証明書・住民基本台帳用・券面事項入力補助用が数字4桁です。手続の際に住民基本台帳用の暗証番号が必要になるため、忘れている場合は早めに再設定しておきます
- 2015年10月5日以降に一度でも日本で住民登録をしたことがある日本国籍者で、すでに国外に住んでいてカードを持っていない人は、新たに申請できます。申請書は在外公館、本籍地市区町村、一時帰国先の市区町村の窓口に提出するか、本籍地市区町村に郵送します
- 申請からおおむね2か月で交付準備ができた旨のメールが届き、在外公館・本籍地市区町村・一時帰国先の市区町村のうち申請時に選んだ場所で本人が受け取ります。在外公館で受け取る場合は、戸籍上の氏名・生年月日が記載された有効な旅券が必要です
- 国外転出者向けのカードには国外の住所は記載されません。また、カードを作っても在外公館への在留届は引き続き提出が必要です
- 法律上、国外転出者の電子証明書の発行申請は、本籍地の市区町村(附票管理市町村長)経由のほか、領事官(在外公館)経由でもできる仕組みになっています。港区の案内では、国外転出者向けカードは有効期限の1年前から更新手続が可能です。具体的な窓口や方法は本籍地の市区町村・在外公館で確認してください
- 一度返納して穴を開けて還付されたカードは再び有効にできないため、改めて申請が必要です
マイナポータルを海外から利用する
国外転出後にマイナポータルを利用するには、国外転出者向けマイナンバーカード(国外継続利用の手続をしたカード、または国外転出後に新たに交付されたカード)が必要です。マイナポータルから国外転出者向けカードに切り替えることはできず、切り替えは自治体の窓口で行います。
- 国外転出者向けカードでは、申請用プロフィールの設定、引越し手続、国家資格の登録・各種申請、医療等分野の電子署名利用申請は利用できません
- 海外への引越し(国外転出届)はマイナポータルの引越しワンストップサービスではできず、自治体の窓口で手続します
- 国外転出の手続をしたカードがあれば、マイナポータルでのパスポート申請(国外申請)ができます。一時帰国中に国内の窓口で申請・受け取りをする場合は、住所の質問に「国外転出」と答えたうえで「日本国内の窓口に申請する」を選びます
- 国外転出の手続をしたカードがあれば、戸籍電子証明書提供用識別符号の取得手続もできます
- 国外転出者は、マイナポータルからの預貯金口座の付番申請はできません(システム上は申請できても、付番される口座は0件になります)
日本の住所がなくなった後の本人確認書類と帰国時の手続
2020年2月4日以降に申請して発行された日本の旅券(2020年旅券)では、旧型旅券にあった「所持人記入欄」(氏名・現住所・電話)が廃止され、裏表紙見返しに緊急連絡先を記入する形になりました。警視庁の事業者向け資料では、新型旅券の住所欄は緊急連絡先の住所であって所持人の現住所ではないため、別の書類で現住居を確認するよう求めています。
犯罪収益移転防止法の本人確認書類では、旅券は顔写真付きの本人確認書類に含まれますが、住居の記載がない場合は、他の本人確認書類や補完書類で現在の住居を確認する必要があります(警察庁 JAFIC「犯罪収益移転防止法の概要」令和8年8月7日時点)。このため、パスポートだけでは口座開設などの手続ができない場面があります。
- 補完書類の例は、国税・地方税の領収証書や納税証明書、社会保険料の領収証書、公共料金の領収証書、官公庁が発行した書類等です。有効期限のないものは、提示・送付の日前6か月以内の領収日付や発行年月日があるものに限られます
- 警察庁の資料では、補完書類として、日本国政府が承認した外国政府や権限ある国際機関が発行した、氏名と住居の記載がある書類等も挙げられています。実際に受け付けるかどうかは各金融機関の判断になるため、事前に確認が必要です
- マイナンバーの通知カードは補完書類になりません。国外転出者向けマイナンバーカードにも国外の住所は記載されないため、海外の現住所を証明する書類としては使えません
- 海外の住所を日本の公的書類で証明する必要がある場合は、在外公館の在留証明を使う方法があります(在留証明・署名証明のガイドを参照)
- 帰国して日本の市区町村に転入届を出すときに、国外転出者向けマイナンバーカードの記載事項変更を申し出れば、そのカードを国内でも引き続き使えます
- 転入届をして住民票ができれば、住民票の写しや、住所を書き換えたマイナンバーカードで国内の住所を確認できるようになり、携帯電話の新規契約や金融機関の住所変更が進めやすくなります
- 本ページは制度の一般的な説明です。携帯電話会社や金融機関がどの書類・方法を受け付けるかは各社が決めるため、手続前に各社の公式案内で確認してください
よくある質問
Q. 海外に住んでいても日本の携帯電話の新規契約はできますか?
A. 携帯電話不正利用防止法では、契約時に氏名・住居・生年月日を確認する必要があり、どの書類・方法を受け付けるかは各社が選びます。日本の住所がないと必要書類がそろわず、新規契約や名義変更を受け付けてもらえない場合があります。日本の番号を残したい場合は、出国前に番号保管やプラン変更などを済ませておくのが確実です。
Q. 国外継続利用の手続を忘れて出国してしまいました。マイナンバーカードはどうなりますか?
A. 手続をせずに国外転出するとカードは失効します。2015年10月5日以降に日本で住民登録をしたことがある日本国籍者であれば、国外転出者向けマイナンバーカードを改めて申請できます。申請書は在外公館、本籍地市区町村、一時帰国先の市区町村の窓口に提出するか、本籍地市区町村へ郵送します。
Q. 海外からマイナポータルにログインできますか?
A. 国外転出者向けマイナンバーカードがあれば利用できます。ただし、申請用プロフィールの設定、引越し手続、国家資格の登録・各種申請、医療等分野の電子署名利用申請は利用できません。国外転出の手続をしたカードがあれば、パスポートの申請(国外申請)や戸籍電子証明書提供用識別符号の取得はマイナポータルからできます。
Q. パスポートだけで本人確認ができないのはなぜですか?
A. 2020年2月4日以降に申請・発行された2020年旅券には所持人記入欄(住所欄)がなく、裏表紙見返しの記入欄は緊急連絡先です。携帯電話や金融機関の本人確認では住居の確認が必要なため、住居の記載がない旅券を使う場合は、6か月以内の公共料金の領収証書や納税証明書などの補完書類で現住所を確認する必要があります。
Q. データ通信専用のSIMやeSIMなら本人確認はいりませんか?
A. 総務省のQ&Aでは、データ通信専用SIMは通話ができないため携帯電話不正利用防止法の対象外とされています。ただし、各社が独自に本人確認を求めることはあります。音声通話付きのSIM・eSIMや050番号のアプリ電話は同法の対象で、契約時に本人確認が必要です。
出典
- 総務省 携帯電話の犯罪利用の防止(携帯電話不正利用防止法の概要)
- 総務省 Q&A -携帯音声通信事業者向け-(令和8年4月1日改訂)
- 総務省 報道資料 携帯電話不正利用防止法施行規則の一部を改正する省令案に対する意見募集の結果の公表(令和8年7月27日)
- 総務省 同 意見募集で寄せられた意見と総務省の考え方(別紙)
- デジタル庁 よくある質問:マイナンバーカードについて(Q3-19)
- デジタル庁 リーフレット「海外でもマイナンバーカードが作れます」(令和6年5月作成)
- デジタル庁 マイナンバー法の改正事項(2022年11月29日 ワーキンググループ資料)
- マイナポータル よくある質問「国外に転出した後も、マイナポータルは利用できますか」
- マイナポータル よくある質問「国外に転出します。マイナポータルで必要な手続はありますか」
- マイナポータル よくある質問「国外転出している場合のマイナポータルでのパスポート申請」
- マイナポータル よくある質問「国外転出者の預貯金口座の付番申請」
- 地方公共団体情報システム機構 公的個人認証サービス ポータルサイト(電子証明書のご用意)
- e-Gov法令検索 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律
- 港区 国外でのマイナンバーカード利用
- 板橋区 【国外転出者向け】マイナンバーカードの国外継続利用
- 警察庁 JAFIC 犯罪収益移転防止法の概要(令和8年8月7日時点)
- 警視庁 旅券(日本国発行)による本人確認時の注意事項
- 北海道 お知らせ(北海道パスポートセンター)所持人記入欄の廃止について
- 福岡県 パスポートよくある質問と回答(Q&A)
- 金融庁 金融機関におけるマネロン・テロ資金供与・拡散金融対策について
- 金融庁 インターネット取引サービスへの不正アクセス・不正取引にご注意ください
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務の助言ではありません。個別の状況については税理士・税務署・年金事務所・市区町村などに確認してください。
- 2027年4月1日 日本、携帯電話の店頭契約でもICチップ読み取りを原則化
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