日本の運転免許を持つ人が海外で運転する代表的な方法は、出国前に「国外運転免許証」(いわゆる国際運転免許証)を取ることですが、使えるのはジュネーブ条約締約国に限られ、有効期間も発行日から1年です。海外に住み続ける場合は、日本の免許の更新期限や、失効した後の再取得の特例、現地で取った免許を帰国後に日本の免許へ切り替える手続も押さえておく必要があります。外国免許の切替は2025年10月1日から知識確認・技能確認が厳しくなっています。
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海外で運転するには?国際運転免許証の取り方・海外在住中の免許更新・失効・外免切替(2026年)
最終確認: 2026-10(公的機関の情報をもとに作成)
国外運転免許証とは:ジュネーブ条約と有効期間1年
日本は1949年にジュネーブで締結された「道路交通に関する条約」(ジュネーブ条約)を締結しています。条約締約国は、他の締約国が発給した条約の附属書9または附属書10の様式に合致する国際運転免許証を持つ人に対し、上陸の日から1年間(その国際運転免許証の有効期間内に限る)、自国での運転を認めることとされています。日本が日本の免許に基づいて発給する附属書10様式の免許証を、道路交通法では「国外運転免許証」と呼びます(道路交通法第107条の7)。
- 有効期間は発行日から1年間で、更新制度はありません。期間内であれば、日本の免許が有効な限り何回渡航しても使えます
- 日本の運転免許が失効すると、国外運転免許証も効力を失います。警視庁は、日本の免許の有効期限まで1年未満の人(短期渡航で更新期間中に更新できる人を除く)には、更新期間前の更新手続を勧めています
- 国(州)によっては、その国の法令などにより国際運転免許証での運転を制限したり認めなかったりすることがあり、日本の免許証の提示を求められることもあります。渡航先の実情は、その国にある日本大使館・総領事館などで確認してください
- 2025年3月24日から始まったマイナ免許証(マイナンバーカードと一体化した免許)のみを持つ人は、渡航先によっては従来の運転免許証が必要になる場合があります。海外では従来の免許証の提示を求められることがあるため、警視庁は可能な限り従来の免許証を持参するよう案内しています
- 国外運転免許証で運転できる車の種類は、日本で持っている免許の種類によって決まります(普通免許ならB欄の自動車、大型二輪・普通二輪免許ならA欄の二輪車など)
申請先・必要書類・手数料(東京都の例)
国外運転免許証は、住所地の公安委員会(都道府県警察の運転免許試験場・運転免許センター等)に申請します。東京都(警視庁)の場合、手続できるのは都内に住所がある人で、府中・鮫洲・江東の各運転免許試験場、神田・新宿の運転免許更新センター、指定警察署(世田谷・板橋・立川)で受け付けています。原則即日交付ですが、状況により即日交付できない場合があります。
- 手数料:2,250円(警視庁)
- 運転免許証またはマイナ免許証(持っているもの)
- 写真1枚:縦4.5センチ×横3.5センチ、無帽・正面・無背景、申請前6か月以内に撮影したもの(パスポート用と同じサイズ)
- パスポート原本。手元にない場合は、海外赴任証明書、留学証明書、eチケットの控え、ホテルの予約表、VISA申請中の書類、ESTA申請画面などの渡航を証明する書類(印刷したもの)
- 古い国外運転免許証を持っている人はそれも持参します。返納しないと新しい国外運転免許証を交付できない場合があります
- 免許停止処分中の人や、大型特殊・小型特殊・原付免許または仮免許のみの人は申請できません
- 本人がすでに渡航している場合は、親族・知人・会社関係者などが代理申請できます。警視庁では、本人の免許の有効期間の満了日までにおおむね3か月以上あることが条件で、本人の免許証、写真、出入国スタンプのあるパスポートの全ページのコピー、委任状(申請者氏名は自筆)、代理人の身分証明書が必要です
- 海外在住者が一時帰国した際に申請する場合は、実家等を住所地として、そこを管轄する公安委員会に申請できます。免許証の住所と異なる場合は、住所変更の手続と滞在先が住所であることを証明する書類が必要です(警察庁)
ジュネーブ条約締約国以外の国(中国本土など)では使えない
警視庁が警察庁の資料をもとに掲載しているジュネーブ条約締約国等の一覧(2026年7月更新)には、アメリカ合衆国、カナダ、英国、イタリア、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドなどが含まれ、特別行政区等として香港・マカオも挙げられています。一方、中国(本土)は一覧に含まれていません。
日本の国外運転免許証は「ジュネーブ条約締約国に限り」使えるものなので、一覧にない国・地域では原則として使えません。警視庁は、外国で運転する方法として、国外運転免許証のほかに、日本の免許証を渡航先の国の免許に切り替える方法、現地で運転免許試験を受けて取得する方法を挙げ、日本の免許証で運転できる国等もあるとして、手続は渡航先の大使館等で確認するよう案内しています。
- 中国本土に住む・旅行する場合:日本の国外運転免許証は使えない前提で、現地の免許の取得方法を中国の当局や在中国日本国大使館・総領事館の案内で確認してください
- 外務省海外安全ホームページの例:ネパールでは国際運転免許証で運転することはできず、現地の運転免許の取得が求められるとされています(2024年7月時点)
- 一覧のとおり、国連のジュネーブ条約加盟国リストに載っていても、条約の扱いについて警察庁の調査で異なる回答があった国や、調査中・未回答の国もあります。長期滞在先では、国際免許で運転できる期間(多くは入国から1年など)とその後に現地免許が必要かを必ず確認してください
海外在住中の日本の免許の更新:出国前・一時帰国時の「特例更新」
日本の免許の更新期間は、有効期間が満了する日の直前の誕生日の前後1か月(誕生日をはさんだ2か月間)です。この期間内に更新しないと免許は失効します。代理による更新はできず、本人が手続する必要があります。
海外旅行・海外赴任などのやむを得ない理由で更新期間内に更新を受けることが困難と予想される場合は、特例として更新期間前に更新できます(道路交通法第101条の2、期間前更新)。警察庁は、海外赴任の予定がある人は出国前に、海外赴任中の人は一時帰国の際など任意のタイミングで、更新期間前でも更新できると案内しています。
- 更新期間内に海外に出国するため手続できないことを証明する書類(パスポート、航空券の控えなど)が必要です(警視庁)
- 特例更新後の有効期間:優良運転者・一般運転者は更新日から5回目の誕生日の1か月後まで、違反運転者・初回更新者は3回目の誕生日の1か月後まで。通常の更新より有効期間が短くなります
- 一時帰国中は、滞在中の日本国内の生活の本拠(実家等)を住所地として更新できます。免許証の住所と違う場合は、住所変更と、本人宛の郵便物や世帯主が作成した滞在証明など住所を確かめる書類が必要です
- 海外赴任等で住民票を除票している人は、東京都では都内の滞在先について「国外転出者の滞在場所証明書」(証明人が記入)と証明人の身分証明書の写しを提出します。親族宅に滞在する場合の証明人は世帯主である必要があります
- 警視庁の場合、期間前更新は来場予約不要です。運転免許試験場はすべての講習区分に対応しています
- 外国籍の人は、在留期間等の理由により「海外旅行」による期間前更新が認められない場合があります
更新できずに失効したとき:6か月以内・3年以内の再取得の特例
更新期間内に更新しなかった免許は失効し、新たに免許を取得する手続(いわゆる失効手続)が必要です。失効してからの期間と、やむを得ない理由の有無によって、免除される試験が異なります(道路交通法第97条の2第1項第3号・第4号)。海外滞在はやむを得ない理由に当たりますが、「仕事が忙しかった」「更新のはがきが届かなかった」などは該当しません(神奈川県警察)。
- 失効後6か月以内:理由を問わず、適性試験のみで学科試験と技能試験が免除されます。やむを得ない理由があった人は、失効前の免許期間が継続しているものとして扱われ、優良運転者等の区分も引き継がれます
- 失効後6か月を超え3年以内:海外滞在等のやむを得ない理由で6か月以内に手続できなかった場合に限り、その理由がやんだ日(帰国した日)から1か月以内であれば、学科試験と技能試験が免除されます
- 失効後3年を超えると、この特例による手続はできません(平成13年6月19日以前にやむを得ない理由が生じた人の特例を除く)
- 過去に一時帰国した際に手続をしなかった場合は、最初の帰国時に事情がやんだとみなされ、次の帰国時には特例が認められない場合があります(警察庁)
- やむを得ない理由がなく失効後6か月を超え1年以内の場合は、仮免許の学科・技能試験が免除されるにとどまります
- 必要なもの(警察庁・警視庁):申請書、失効した免許証、写真、戸籍謄本等(住民票がない場合)、住所を確かめる書類(東京都では滞在場所証明書)、本人確認書類、海外滞在の事実を証する書類、手数料。代理申請はできません
- 海外滞在の証明には、出入国スタンプのある旅券、出入国在留管理庁の出入(帰)国記録、在外公館の在留証明、勤務先の駐在証明などを使います。顔認証ゲートではスタンプが押されないため、必要な人は出国時は搭乗前、入国時は税関検査前に職員に申し出てスタンプを受けてください
- 警視庁の手数料は、受験手数料1種目1,950円、講習手数料(優良500円・一般800円・違反/初回1,400円)、交付手数料(運転免許証のみ2,350円、マイナ免許証のみ1,550円、両方2,450円)の合計です
外国の免許を日本の免許に切り替える(外免切替)と2025年10月の改正
海外で現地の運転免許を取得した人は、帰国後にその免許で運転できる種類の日本の免許を、試験の一部免除により取得できます(道路交通法第97条の2第3項、外国免許切替)。運転に必要な知識と技能を確認し、支障がないと認められれば学科試験・技能試験が免除されます。日本の免許が失効していても、外国の免許を持っていれば失効後の期間を問わずこの手続を利用できます(警察庁)。
主な要件と手続は次のとおりです。
- 外国の免許を取得した後、その国に通算して3か月以上滞在していたこと(出入国スタンプのある旅券などで証明)
- 必要書類:外国の免許証(国際運転免許証は不可)、その日本語翻訳文(発給機関・在日大使館等、JAFなど政令で定める者が作成したもの)、旅券、写真、住民票の写し等。住民票を除票している日本国籍の人は、戸籍謄本・戸籍抄本または戸籍事項証明書と、住所を確かめるに足りる書類を提出します
- 東京都では予約制で、府中・鮫洲の試験場はすべての国の免許、江東試験場は知識確認・技能確認が免除される29か国等の免許のみ受け付けます
- 知識確認・技能確認が免除される国等(警視庁):アイスランド、アイルランド、アメリカ合衆国(オハイオ州、オレゴン州、コロラド州、バージニア州、ハワイ州、メリーランド州、ワシントン州に限る)、イギリス、イタリア、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾。アメリカのインディアナ州は技能確認のみ免除です
- 東京都の手数料:申請手数料(普通2,500円など)と交付手数料2,350円
- 2025年10月1日施行の道路交通法施行規則の改正で、知識確認はイラスト問題を廃止し、問題数が10問から50問に、合格基準が10問中7問以上から50問中45問以上に変わりました(警視庁では午後1回のみ実施)。技能確認には横断歩道の通過等の課題が追加され、審査基準も厳格化されています
- 同じ改正で、外国籍の人の住所確認が厳格化され、特定事項が記載された住民票の写しが必要になりました。住民基本台帳法の適用を受けない観光等の短期滞在者は、外交官などの限られた例外を除き、外免切替を含む免許の取得ができなくなりました(神奈川県警察)
帰国直後に日本で運転するには
警察庁によると、日本人も外国人と同様に、外国で取得したジュネーブ条約様式の国際運転免許証を持っていれば、日本の免許を受けなくても、日本に上陸した日から1年間(その国際運転免許証の有効期間内に限る)日本で運転できます(道路交通法第107条の2)。また、スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾の免許証は、政令で定める者が作成した日本語翻訳文を添付すれば、同じく上陸から1年を超えない範囲で運転できます。
- 住民基本台帳に記録されている人が出国して3か月未満で再び上陸した場合は、その上陸日は運転可能期間の起算日になりません(いわゆる3か月ルール)
- 警視庁の一覧では、フランス・ベルギーなど一部のジュネーブ条約締約国は、ジュネーブ様式の国際運転免許証を発給していないとされています(2026年5月時点)。滞在国の国際免許が日本で使えるかは事前に確認してください
- 本帰国して長く日本で運転する場合は、1年以内に日本の免許の失効手続(特例の期限内)または外免切替を済ませておくと安心です
- 本ページは一般的な説明です。必要書類や受付方法は都道府県によって異なるため、手続の前に住所地(滞在先)の運転免許センター・試験場の案内を確認してください
よくある質問
Q. 国際運転免許証は海外の日本大使館で取れますか?
A. 日本の国外運転免許証は、住所地の公安委員会(都道府県警察の運転免許試験場等)に申請するもので、警察庁・警視庁の案内には在外公館での発給は挙げられていません。本人がすでに渡航している場合は、親族・知人などによる代理申請が可能です(警視庁では本人の免許の有効期間が満了日までおおむね3か月以上あることが条件)。一時帰国時に、実家等を住所地として申請することもできます。
Q. 国外運転免許証の有効期間を延ばしたり更新したりできますか?
A. できません。有効期間は発行日から1年間で、更新制度はありません。また、日本の免許が失効すると国外運転免許証も効力を失います。1年を超えて滞在する場合は、改めて申請するか、滞在国の免許を取得する必要があります。国によっては入国から一定期間を過ぎると現地免許が必要になります。
Q. 中国(本土)で日本の国際運転免許証は使えますか?
A. 警察庁の資料に基づく警視庁のジュネーブ条約締約国等の一覧に中国(本土)は含まれておらず、日本の国外運転免許証はジュネーブ条約締約国でのみ使えるため、中国本土での運転には使えない前提で準備してください。一方、香港とマカオは一覧に含まれています。現地での免許取得方法は、中国の当局や在中国日本国大使館・総領事館の案内で確認してください。
Q. 海外赴任中に日本の免許の更新期限が来ます。どうすればよいですか?
A. 出国前または一時帰国の際に、更新期間前でも「特例更新(期間前更新)」ができます。パスポートなど、更新期間中に海外にいるため手続できないことを証明する書類が必要です。有効期間は通常より短くなり、優良・一般運転者は更新日から5回目の誕生日の1か月後までです。代理での更新はできません。
Q. 海外にいる間に免許が切れてしまいました。また試験を受け直す必要がありますか?
A. 失効後6か月以内なら理由を問わず、6か月を超え3年以内でも海外滞在などのやむを得ない理由があり、帰国した日から1か月以内であれば、適性試験のみで学科試験と技能試験が免除されます。出入国スタンプのある旅券や在留証明などで海外滞在を証明します。3年を超えると、この特例は使えません。外国の免許を持っている場合は、外免切替により失効後の期間を問わず手続できます。
Q. 2025年10月の外免切替の改正で何が変わりましたか?
A. 2025年10月1日から、知識確認が10問(7問以上で合格)から50問(45問以上で合格)に増え、イラスト問題が廃止されました。技能確認には横断歩道の通過等の課題が追加され、審査基準が厳格化されています。また、外国籍の人の住所確認が厳格化され、観光などの短期滞在者は原則として手続できなくなりました。知識確認・技能確認が免除される29か国等の免許は、引き続き免除の対象です。
出典
- 警察庁 海外滞在中で日本の免許をお持ちの方
- 警察庁 日本在住で日本の運転免許証をお持ちの方(特例更新)
- 警察庁 外国の運転免許をお持ちの方
- 警察庁 海外滞在者の運転免許証の更新等に係る特例について(PDF)
- 警視庁 国外運転免許証取得手続(本人による申請)
- 警視庁 国外運転免許証取得手続(親族等の代理人による申請)
- 警視庁 日本人が外国で車を運転するには
- 警視庁 ジュネーブ条約締約国等に関する情報
- 警視庁 外国で取得した運転免許証を日本の運転免許証に切り替えるには
- 警視庁 令和7年10月1日施行・改正道路交通法施行規則について
- 警視庁 政令で定められた国等の外国運転免許証で日本国内を運転するには
- 警視庁 海外旅行、出産等の理由による更新期間前の更新手続
- 警視庁 やむを得ない理由があり、失効後6か月以内の手続
- 警視庁 やむを得ない理由があり、失効後6か月を超えて3年以内の手続
- 神奈川県警察 運転免許試験又は外国免許切替手続を受ける外国籍の方へ
- 神奈川県警察 運転免許証の有効期間を経過した場合(失効)の手続について
- 外務省 海外安全ホームページ 安全対策基礎データ(ネパール)
本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務の助言ではありません。個別の状況については税理士・税務署・年金事務所・市区町村などに確認してください。
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