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犬・猫と海外移住/日本に連れて帰る手続き:動物検疫所の輸出検査、米国・英国・EU・豪州の入国条件、帰国時の40日前届出と180日待機(2026年)

最終確認: 2026-10(公的機関の情報をもとに作成)

犬や猫と海外移住するには、出国時に日本の動物検疫所で輸出検査を受けることと、移住先の国が定める入国条件(マイクロチップ、狂犬病予防接種、抗体検査、輸入許可など)を満たすことの両方が必要です。入国条件は国ごとにまったく異なり、準備に半年以上かかる国もあります。将来日本に連れて帰る予定があるなら、日本への輸入条件(抗体検査後180日の待機など)を出国前から計画に入れておかないと、帰国時に最長180日の係留になることがあります。

全体の流れと日本からの輸出検疫(動物検疫所の手続き)

犬・猫の国際移動には、出発国の「輸出検疫」と到着国の「輸入検疫」があります。日本から出国するときは、狂犬病予防法と家畜伝染病予防法に基づき、農林水産省動物検疫所で輸出検査を受けて英文の輸出検疫証明書を受け取ります。ただし、動物検疫所が出すのは「日本から出す」ための証明で、移住先に「入れる」ための条件は相手国が決めます。動物検疫所も、相手国の条件は相手国の動物検疫機関または在日大使館などで事前に確認するよう案内しています。

相手国の条件としてよくあるのは、輸入許可(事前申請)、マイクロチップ、狂犬病やその他の予防注射、寄生虫駆除、血液(抗体)検査、居住証明です。相手国が求める処置は出国前に日本の動物病院で済ませ、獣医師の証明書や検査機関の結果通知書の原本を用意しておきます。狂犬病の抗体価検査は、農林水産大臣が指定する検査施設で行う必要があります。

準備期間の目安は国によって大きく違います。日本を含む「狂犬病の清浄国・低リスク国」からの犬を比較的簡単に受け入れる国(米国など)もあれば、豪州・ニュージーランドのように輸入許可申請の前段階として原則輸出日の6か月以上前に動物検疫所での個体確認を求める国もあります。移住の日程が決まったら、まず相手国の条件と日本への帰国条件の両方を調べ、逆算してスケジュールを組んでください。

輸出検査は動物検疫所に事前に申請し、指定された日時に受けます。費用はかかりませんが、相手国が求める予防注射や健康診断などの費用は自己負担です。日本側の輸出検査そのものは狂犬病予防注射の有無や接種からの日数を問いませんが、相手国の条件として接種が必要な場合がほとんどです。手順は次のとおりです。

米国(CDC):日本は狂犬病高リスク国ではなく、犬はCDC Dog Import Formが中心

米国では、疾病対策センター(CDC)が2024年8月1日から犬の輸入ルールを改めました。要件は、入国前6か月以内に犬が「狂犬病高リスク国」に滞在していたかどうかで分かれます。CDCの高リスク国リスト(2026年4月15日付)に日本は含まれていないため、日本だけに滞在していた犬は「狂犬病清浄国・低リスク国からの犬」の要件が適用されます。

低リスク国からの犬の要件は次のとおりです。

英国(グレートブリテン):ペットパスポートではなく「Great Britain pet health certificate」

英国(イングランド・ウェールズ・スコットランド)では、日本は「リスト掲載国」で、日本から入る犬・猫には「Great Britain pet health certificate」のみが使えます。EUのペットパスポートや英国の動物健康証明書(AHC)では日本から入国できません。英国政府の案内に沿った主な条件は次のとおりです。

EU加盟国への移住:2026年に新しい規則が適用

EUでは、ペット(犬・猫・フェレット)の非商業的な移動の規則が2026年に新しくなり、欧州委員会委任規則(EU)2026/131と、国リストを定める実施規則(EU)2026/636、証明書・申告書の様式を定める実施規則(EU)2026/705などが適用されています。従来の規則(EU)577/2013の様式には移行期間が設けられているため、動物病院や公的機関で古い様式を渡されたら、現在有効な様式か確認してください。

EUのペットパスポートはEU加盟国(および実施規則2026/636付属書Iの国・地域)で発行されるものだけが有効で、日本から入る場合は使えません。日本からEUに犬・猫を連れて入る主な条件は次のとおりです。

豪州・ニュージーランドなど:輸入許可と長い準備期間

豪州(オーストラリア)とニュージーランドは、犬・猫の持ち込みに相手国政府の輸入許可(import permit)が必要で、動物検疫所の案内では、輸入許可の取得申請に当たり原則として輸出日の6か月以上前までに動物検疫所で個体確認(マイクロチップの確認)が必要になる場合があるとされています。また、輸出検査の申請と取得した輸入許可書の提出は、輸出日の2か月以上前には済ませるよう案内されています。

豪州農業・漁業・林業省(DAFF)は、国を複数のグループに分けて犬・猫の輸入条件を定めており、到着後に政府施設での検疫(隔離)があります。日本に適用されるグループ区分、必要な検査、到着後の検疫日数や費用は、DAFFの「Cats and dogs」ページとBICON(輸入条件データベース)で必ず最新情報を確認してください。本ページ作成時(2026年10月)にはDAFFのサイトが自動取得を受け付けなかったため、具体的な日数や金額はここには記載していません。

なお、豪州・ニュージーランド・ハワイ・グアム・アイスランド・フィジー諸島は、日本が狂犬病の「指定地域」としている地域です。これらの地域から日本に戻る場合は、後述のとおり抗体検査や180日の待機が不要で、条件を満たせば帰国時の係留は12時間以内です。移住先がこれらの地域なら、帰国時の負担は比較的軽くなります。

日本に連れて帰る:指定地域以外からの輸入検疫(40日前届出・2回接種・抗体検査・180日待機)

米国本土、英国、EU、アジア各国など「指定地域以外」から犬・猫を日本に連れて帰る場合は、次の条件をすべて満たすと到着時の係留検査が12時間以内で済みます。満たしていない場合は、不足している日数分(最長180日)を到着空港の動物検疫所の係留施設で係留され、係留中の輸送費・飼育費・獣医師の往診費などはすべて飼い主負担です。書類の不備や偽造があると、輸入そのものが認められないこともあります。

航空会社での輸送、移住先での登録・保険、日本側の犬の登録(一般論)

航空会社ごとの輸送ルールは各社の規定によるため、ここでは一般的な注意点のみ挙げます。機内持ち込みができるか、貨物室(受託手荷物)か、別送の貨物(カーゴ)かは航空会社・路線・動物の大きさで異なり、英国政府が承認する航空ルートでは航空会社がペットを貨物室で運ぶなど、到着国側の決まりもあります。多くの航空会社は国際航空運送協会(IATA)の基準に沿ったクレートを求め、短頭種(ブルドッグ、パグ、ペルシャ猫など)の受け入れ制限や、夏季・冬季の気温による受け入れ停止期間を設けていることがあります。予約枠は便ごとに限られるため、航空券と同時にペットの予約を入れ、出国側・入国側の検疫の時間(到着時の検査に1時間程度)を見込んだ乗り継ぎにしてください。

移住先では、自治体や州への犬の登録(ライセンス)、マイクロチップ情報の現地データベースへの登録、狂犬病などの定期接種、ペット保険への加入が求められたり一般的だったりします。制度は国・地域によってまったく異なるため、到着後に居住地の自治体や動物病院で確認してください。賃貸住宅のペット条件や犬種規制(英国の禁止犬種など)も事前に確認が必要です。

日本側では、狂犬病予防法により、生後91日以上の犬は取得から30日以内に市区町村に登録し、年1回(4〜6月が接種時期)の狂犬病予防注射を受け、鑑札と注射済票を装着する義務があります。登録は原則として生涯1回ですが、引っ越したときは新しい市区町村への届出が必要で、登録や注射を怠ると20万円以下の罰金の対象になります。海外へ転出するときや帰国後に日本で再び飼うときの登録の扱いは、登録している市区町村に確認してください。

本ページは公的機関の案内に基づく一般的な説明で、個別の事案への助言ではありません。相手国の条件や日本の輸入条件は変更されることがあるため、実際の手続きの前に、到着予定空港の動物検疫所と相手国の動物検疫機関(または在日大使館)で最新の条件を確認してください。

よくある質問

Q. 日本から犬・猫を連れて出国するだけなら、何をすればよいですか?

A. 動物検疫所に輸出日の14日前までに輸出検査を申請し(NACCS推奨、メールも可)、出発の10日以内に検査を受けて英文の輸出検疫証明書を受け取ります。検査は無料で、完全予約制です。2027年1月1日以降に輸出する犬は14日前までの申請が義務化されます。ただし、これは日本から出すための手続きで、相手国の入国条件(マイクロチップ、狂犬病予防接種、輸入許可など)は別に満たす必要があります。

Q. 米国に犬を連れて行くとき、日本からなら狂犬病の証明は不要ですか?

A. CDCの高リスク国リスト(2026年4月15日付)に日本は含まれていないため、過去6か月間日本(または他の低リスク国)だけに滞在していた犬は、健康であること、生後6か月以上であること、汎用スキャナーで読めるマイクロチップがあること、無料のCDC Dog Import Formの受領書を提示することが要件で、CDCへの狂犬病予防接種証明の提出は求められません。ただし、USDAや到着する州の規則、航空会社の要件は別に確認してください。過去6か月以内に高リスク国に滞在した犬は別の厳しい要件が適用されます。

Q. 英国やEUに行くのに、EUのペットパスポートを取れますか?

A. 日本からは取れません。EUのペットパスポートはEU加盟国など限られた国・地域で発行されるものです。英国へは公的獣医師が発行した「Great Britain pet health certificate」(発行から10日以内に入国)、EUへは出発国の公的獣医師が記入し当局が裏書した動物健康証明書(発行から10日間有効)で入国します。日本はどちらでもリスト掲載国のため、狂犬病の抗体検査は不要ですが、マイクロチップ、生後12週以上での狂犬病予防接種と21日の待機、犬の場合は英国や一部EU国で条虫駆除が必要です。

Q. 海外から日本に連れて帰るとき、どれくらい前から準備が必要ですか?

A. 指定地域以外からの場合、マイクロチップ装着、狂犬病予防接種2回(30日以上あける)、指定検査施設での抗体検査、採血から180日の待機が必要なので、最短でも7か月以上前から準備を始める必要があります。さらに、到着予定日の40日前までに動物検疫所へ事前届出をします。条件をすべて満たせば到着時の係留は12時間以内ですが、満たさない部分があると不足日数分(最長180日)係留され、費用は飼い主負担です。

Q. ハワイやオーストラリアから日本に帰る場合も180日待機が必要ですか?

A. 不要です。アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムは日本が定める「指定地域」で、マイクロチップがあり、出生以来または輸出直前180日以上(または日本から輸出された後ずっと)指定地域のみに滞在し、出発前10日以内の臨床検査と出発国政府の証明書(Form AB)があれば、抗体検査や待機なしで係留は12時間以内です。40日前の事前届出は必要です。

Q. 狂犬病の抗体検査はどこで受ければよいですか?

A. 日本への輸入のための抗体検査は、農林水産大臣が指定する検査施設で行ったもの(0.5 IU/ml以上、採血日から2年間有効)だけが有効です。国内では一般財団法人生物科学安全研究所、海外では米国カンザス州立大学狂犬病研究所、英国動植物衛生局(APHA)など各国の指定施設があります。英国のバイオベスト・ラボラトリー社は2025年6月25日に指定が取り消されたので、同社の証明書を持っている場合は到着予定空港の動物検疫所に相談してください。最新の一覧は動物検疫所の「指定検査施設」ページで確認できます。

出典

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務の助言ではありません。個別の状況については税理士・税務署・年金事務所・市区町村などに確認してください。

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