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海外移住前の予防接種と健康診断:渡航先別ワクチンの調べ方・黄熱の証明書・子どもの定期接種・薬の持ち出し(2026年)

最終確認: 2026-10(公的機関の情報をもとに作成)

海外移住の前に受けておきたい予防接種は、移住先や滞在期間、生活のしかたによって変わり、複数回の接種が必要なものもあるため、出発の3か月以上前から準備するのが目安です。黄熱のように入国時に証明書が求められるもの、ビザ申請で結核検査が求められる国、持病の薬の持ち込みに手続が要る国もあります。本ページは厚生労働省検疫所(FORTH)、厚生労働省、国立健康危機管理研究機構(JIHS)などの公的情報をまとめたもので、接種の可否や治療については必ず医師に相談してください。

出国の3か月以上前から準備を:相談先と予防接種歴の確認

厚生労働省検疫所(FORTH)は、海外渡航者の予防接種には、入国時などに予防接種を求める国に渡航するためのものと、海外で感染症にかからないよう自分の体を守るためのものの二つの側面があると説明しています。必要な予防接種は、渡航先、渡航期間、渡航形態や目的、本人の年齢、健康状態、これまでの予防接種歴によって異なります。ワクチンによっては間隔をあけて2〜3回接種しなければならないため、FORTHは、できるだけ出発の3か月以上前から、トラベルクリニックや渡航外来などの医療機関で接種するワクチンの種類と日程を相談するよう勧めています。

相談先としては、全国の検疫所が電話相談に応じています。FORTHの「予防接種実施機関の探し方」には各検疫所の電話番号と受付時間が載っており、同じページから渡航者向けの予防接種機関データベースで医療機関を検索できます。ただし、このデータベースは登録を希望した医療機関の情報で、掲載後に取扱いが変わっていることもあるため、受診前に必ず医療機関に接種できるかを確認してください。

渡航先別に勧められる予防接種の調べ方(FORTHの国・地域別情報)

FORTHの「国・地域別情報」では、国ごとに気候と気をつけたい病気、受けておきたい予防接種、持っていきたい薬、現地の医療情報がまとめられています。例えばタイのページでは、予防接種としてA型肝炎・B型肝炎・破傷風・腸チフスが挙げられ、狂犬病は犬や野生動物との接触が予想される場合、日本脳炎は農村部に長期滞在する場合に推奨とされています。フィリピンのページでは、これにポリオが加わっています。

ただし、国別ページには更新が古いものもあります(タイは平成24年6月5日更新、フィリピンは2019年9月27日更新)。2025年7月に更新されたFORTH「海外渡航のためのワクチン」ページの地域別の目安表(日本国内で承認されているワクチンが対象)と、FORTHトップページの「新着情報」で最近の流行状況もあわせて確認してください。FORTHは、表はあくまで目安で、国によって状況が異なるとしています。同ページで挙げられている「推奨される方」の例は次のとおりです。

黄熱の予防接種と証明書(イエローカード):接種機関・有効期間・費用

黄熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、アフリカと中南米の熱帯地域で流行しています。入国時や乗り継ぎ時に黄熱の予防接種証明書の提示を求める国があり、FORTHの各国一覧では「黄熱に感染する危険のある国から来る生後9か月以上の渡航者」に証明書を求め、危険のある国の空港で12時間以上乗り継ぎ滞在した人にも求める、といった条件の国が多く見られます。要件は予告なく変わることがあるため、ビザ申請や入国審査に関わる最新情報は必ず各国の大使館・領事館に確認するよう、FORTHは案内しています。

黄熱ワクチンは国が指定した機関(検疫所と一部の医療機関)だけで接種でき、原則予約制です。証明書は接種10日後から有効になり、2016年7月11日以降は「接種10日後から生涯有効」に変わりました。以前の「10年間有効」の証明書で期限が切れたものも、更新手続なしで生涯有効として扱われるので、捨てずに保管してください。2025年9月19日から証明書は新しい様式(B6サイズで、二つ折りにするとパスポートサイズ)になりましたが、旧様式も引き続き有効です。

長期滞在者に勧められるワクチンの例と接種スケジュールの目安

A型肝炎、B型肝炎、狂犬病などは複数回の接種が必要で、最後の接種まで半年以上かかるものもあります。出国までに全回数が終わらない場合は、何回目まで済ませて出発し、残りを現地でどう受けるかを医師と相談します。接種間隔は、JIHS「日本の定期/任意予防接種スケジュール:注釈」(2026年10月1日現在)などで次のように示されています。実際の日程はワクチンの製剤や年齢によって異なるため、接種する医師の指示に従ってください。

費用の目安:渡航のための予防接種は自費(自由診療)

FORTHのよくある質問によると、海外渡航のための予防接種は自由診療(公的医療保険が適用されない診療)で、費用は接種する医療機関がそれぞれ定めています。海外渡航用の予防接種について、公的に費用を補助する制度はありません。千葉市の案内でも、定期接種のワクチン以外を接種する場合や、定期接種のワクチンを予防接種法で決められた期間以外に接種する場合は「任意予防接種」となり、費用は自費で、金額は医療機関が定めた額になるとされています。家族で複数のワクチンを複数回受けると、負担は大きくなります。

海外勤務や長期出張など業務に伴う渡航の場合は、雇用主が費用の全部または一部を負担することがあります。FORTHは、渡航が決まったら早めに、企業の産業医や健康管理担当部署と費用のことも含めて相談するよう勧めています。自分で移住する場合は、受けるワクチンの種類と回数を決めたうえで医療機関に見積もりを確認し、移住の予算に入れておきましょう。日本では承認されていないワクチンを、一部のトラベルクリニックが医師の個人輸入で用意している場合もあります。厚生労働省とFORTHは、国内未承認ワクチンの接種で重い健康被害が出ても、医薬品副作用被害救済制度や予防接種健康被害救済制度の対象にならないと注意しています(輸入代理店独自の補償制度がある場合はあります)。接種前に医師とよく相談してください。

子どもの定期接種:出国前・海外滞在中・帰国後のキャッチアップ

日本の定期接種は、予防接種法第5条に基づき、市町村長が「当該市町村の区域内に居住する者」に対して行うものです。住民登録のある市区町村で決められた期間に受ければ費用はかかりませんが(千葉市の案内)、海外転出で住民登録がなくなると、日本の定期接種の対象から外れます。出国前に、子どもの年齢で受けられる定期接種が残っていないかを小児科で確認し、出発までに済ませられるものは済ませておくと安心です。

海外では現地の制度で接種を受けることになり、ワクチンの種類や接種時期が日本と異なることがあります。帰国後について、厚生労働省の定期接種実施要領は、接種回数を決める際に、海外等で受けた予防接種は医師の判断と保護者の同意に基づき、既に接種した回数分の定期接種を受けたものとみなすことができるとしています。対象年齢のうちに帰国して残りの回数を受ければ定期接種として扱われますが、対象年齢を過ぎてから受ける場合は任意接種(自費)になります(JIHS「日本で接種可能なワクチンの種類」)。

ビザ・在留許可の申請で求められる健康診断(結核検査など)の例

移住先によっては、ビザや在留許可の申請に健康診断の結果が必要です。対象や検査内容は、国やビザの種類、申請者の年齢、過去に住んでいた国によって異なり、移住先政府が指定した医師や医療機関で受けなければならないことが多いため、必ず移住先政府の公式案内で確認してください。家族で移住する場合は、子どもや帯同家族も検査の対象になることがあります。以下は、2026年10月に確認した各国政府の公式情報の例で、すべての国やビザを網羅したものではありません。

持病のある人の薬の持ち出しと、移住後の感染症情報の集め方

厚生労働省は、自分の病気の治療に使う医薬品でも、渡航先の国によっては医師の診断書などを携帯する必要があったり、持ち込める数量に制限があったり、事前の許可申請が必要だったりすると案内しています。同省は共通の注意点を示したうえで、米国、英国、ドイツ、オーストラリア、シンガポール、中国、韓国などの国別資料を公開しています(2026年10月の確認時点で、タイ、フィリピン、ベトナム、カナダ、フランスなどの資料は掲載されていません)。資料がない国の制度は、在日大使館などに問い合わせて自分で確認する必要があります。

移住後の感染症情報は、FORTHの「新着情報」(例:2026年10月23日掲載のコンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱に係る注意喚起)、外務省海外安全ホームページの感染症危険情報、JIHSの感染症情報で確認できます。FORTHの国別ページには現地の医療事情も載っています。帰国時に体調が心配な場合は空港などの検疫所に、帰国後は最寄りの保健所に相談し、医療機関を受診するときは海外に滞在していたことを伝えてください(厚生労働省「黄熱に関するQ&A」)。

よくある質問

Q. 黄熱の予防接種証明書(イエローカード)は何年有効ですか?

A. 接種10日後から生涯有効です。2016年7月11日に「接種10日後から10年間」から変更され、以前の10年間有効の証明書で期限が切れたものも、更新手続なしで生涯有効として扱われます。2025年9月19日から新様式になりましたが、旧様式も引き続き有効です(FORTH)。

Q. 渡航のための予防接種に健康保険や公的な補助は使えますか?

A. FORTHによると、海外渡航のための予防接種は自由診療で、費用は医療機関ごとに異なり、公的な補助制度はありません。仕事に伴う渡航では雇用主が費用を負担する場合があるので、産業医や健康管理担当部署に相談してください。黄熱は、例えば東京検疫所で収入印紙17,680円分です。

Q. 出発まで1か月ほどしかありません。今からでも間に合いますか?

A. FORTHは出発の3か月以上前からの相談を勧めていますが、期間が短くても、医師と相談して優先順位を決め、出発前に受けられる回数だけ受けて残りを現地で続けることがあります。A型肝炎は急ぐ場合に1回目と2回目を2週あけて接種できるとされています(JIHS)。黄熱は入国の10日前までに接種が必要です。

Q. 子どもが海外で受けた予防接種は、帰国後に日本の定期接種として数えてもらえますか?

A. 厚生労働省の定期接種実施要領では、海外等で受けた予防接種は、医師の判断と保護者の同意に基づき、既に接種した回数分の定期接種を受けたものとみなすことができるとされています。残りを対象年齢のうちに受ければ定期接種ですが、対象年齢を過ぎると任意接種(自費)になります。現地の接種記録は必ず保管してください。

Q. 英文の予防接種証明書はどこで発行してもらえますか?

A. 自治体によって扱いが異なります。例えば東京都港区は母子健康手帳の記録(医療機関が記載したもの)などをもとに1通300円で発行し、さいたま市は市の紹介状を受けて埼玉県立小児医療センターで発行(有料)しています。海外で受けた接種は対象外とする自治体もあるため、住んでいる(住んでいた)市区町村に確認してください。

Q. 持病の薬は何か月分まで持って行けますか?

A. 持ち込める量は渡航先の国の制度で決まり、国によって異なります。厚生労働省は一部の国の制度を国別資料で公開しており、掲載のない国は在日大使館などで確認する必要があります。医療用麻薬は、日本の出国・入国それぞれに地方厚生(支)局麻薬取締部の事前許可が必要です。薬の量や切り替えは主治医に相談してください。

出典

本ページは一般的な情報提供を目的としたもので、税務・法務の助言ではありません。個別の状況については税理士・税務署・年金事務所・市区町村などに確認してください。

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